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ABEJAが考えるテクノプレナー的社員とは?

「アントレプレナーシップ」と「テクノロジー」、「リベラルアーツ」を組み合わせた新しい時代のビジネスパーソン「テクノプレナー」。これからあらゆる業界に関わる人にとって必要な資質となってくるであろう。企業を成長させるにあたって、メンバー一人ひとりがその行動規範であるテクノプレナーシップを意識することが重要だ。

「アントレプレナーシップ」と「テクノロジー」、「リベラルアーツ」を組み合わせた新しい時代のビジネスパーソン「テクノプレナー」。これからあらゆる業界に関わる人にとって必要な資質となってくるであろう。企業を成長させるにあたって、メンバー一人ひとりがその行動規範であるテクノプレナーシップを意識することが重要だ。

株式会社ABEJA(以下、ABEJA)はテクノプレナーシップの行動精神のもとに、「ゆたかな世界を、実装する」という企業理念の達成を目指す人材の集合体だ。今回はABEJAで事業責任者を任されている寺本拓磨氏(以下、寺本氏)にテクノプレナーシップを体現する人材とはどのようなものか話を伺った。

大学時代からテクノプレナーの素養を持ち社会へ

高校時代からプログラミングに興味を持った寺本氏は、大学時代には自らゲームアプリの開発を始め、ランキングトップ10入りするようなアプリのリリースを連発していた。しかし、このまま自分たちだけで開発を続けても、世の中に対して大きなインパクトサービスを作れるイメージが持てず、SEGAに入社する。

高校時代からプログラミングに興味を持った寺本氏は、大学時代には自らゲームアプリの開発を始め、ランキングトップ10入りするようなアプリのリリースを連発していた。しかし、このまま自分たちだけで開発を続けても、世の中に対して大きなインパクトサービスを作れるイメージが持てず、SEGAに入社する。

寺本「SEGAではエンジニアをしながら、ゲームの企画や、UI/UXに関する講演などもしていました。結果的には1年で辞めたのですが、想像していたのと違ったということではありません。むしろ、元々仮説として持っていた、『規模の大きな企業では、過去にどんな実績を持っていても、裁量の大きな仕事をするためにはかなりの時間を要する』というのは想像通りだったため、1年でできる限りの情報収集をさせてもらいました。そして、次のステップとして起業かスタートアップへの転職を考えたのです」

そのときに相談を持ちかけたのが、ABEJA代表取締役社長の岡田陽介氏(以下、岡田氏)。学生時代から名古屋のコミュニティで面識のあった岡田氏とは、先輩後輩のような関係だったという。岡田氏に相談しているうちにそのまま入社することになったと話す。

寺本「当時のABEJAはコアとなる事業をこれから創っていく、という段階だったため、自分が何に貢献できるのか、まったく見当もついていませんでした。しかし、ABEJAでインターンなどもしていたし、会社のカルチャーなどは分かっていたつもりです。自分で実現したいビジョンがあれば、自分で取りにいけるチャンスがあるのは、まさに自分が求めている環境でしたね。結果的には事業の内容よりも、テクノプレナーシップの考え方や、そこで働く人、文化で入社を決めました」

ビジネスとエンジニアリングは似ている

テクノプレナーには、大きなビジョンを掲げて推進していく「起業家精神」と、新しいテクノロジーをいち早くキャッチアップし、世界にどのような変革をもたらすのか考察する姿勢が求められる。一見、全く別の要素であるようにも見えるビジネスとエンジニアリングの関係性について、寺本氏はこう語る。

テクノプレナーには、大きなビジョンを掲げて推進していく「起業家精神」と、新しいテクノロジーをいち早くキャッチアップし、世界にどのような変革をもたらすのか考察する姿勢が求められる。一見、全く別の要素であるようにも見えるビジネスとエンジニアリングの関係性について、寺本氏はこう語る。

寺本「ビジネスとエンジニアリングは実はとても似ています。エンジニアリングは最初に仮説を立てて、こうなったらうまくいくだろうと設計し、実際にコードを書いていきます。プログラムをビルドして実行したときに、そのロジックが当たっていれば仮説通りのものができますし、どこかで間違っていたらエラーが発生します。
 
ビジネスも一緒で、どんな世界観を実現したら大きなビジネスインパクトを残せるかの仮説を立てて、それを実現するために必要なパーツが何か考えていきます。それは必ずしも自社のリソースだけでなく、パートナーとアライアンスを組んだり、他社の事業を買収することや、新しい技術で解決するなども含まれます。そして実際にオペレーションを組んで実行してみると、仮説通りになるかどうかがわかるのです。だめなら振り返り、新しいやり方を試していく点も一緒です。
 
仮説どおりにハマったときの快感が、エンジニアリングとビジネスはとても似ているんです。ただし、ビジネスの方がエンジニアリングよりもスケールが大きく、得られる快感も大きいので今はビジネスの方が楽しいですね。
 
その中で、新しい技術を使うことで世の中の課題を大きく払拭できるポイントを見つけて、上手くフィットした場合は、大きく既存の業界構造や業務構造を変革できるので、非常に気持ちがいいですね」

学生時代からテクノプレナーシップの素養を持っていた寺本氏だが、これからテクノプレナーシップを身に付けたい方はどうすればいいのか聞いてみた。

寺本「ビジネスやエンジニアリングはもちろんですが、普段から世の中に対して問いを立て、どうあるべきなのかを考え、それを探求するための検証を続けることが重要です。自分が得たい結果を得られたのであれば仮説通りだったということになりますし、そうでなければ問いや仮説を組み直したりします。
 
このとき、最初の問いの立て方が重要なこともあるのですが、それを身につけるには何度も検証してみるしかありません。そもそも最初に立てた問いが、仮説通りである可能性はみんな高くないものです。何度も何度も仮説検証を繰り返すことでしか確度は上がっていかないのです。
 
ですので、うまくいかないからやらない、できないからやらないは本末転倒です。問いに対して仮説通りでなかった場合も失敗ではなく、これではうまくいかないと新しい検証ができたことになります。その仮説検証をいかに小さい失敗で抑え、ショートタームに回せるかが大事だと思います」

テクノプレナー的事業立ち上げのモデルケース~ABEJA Platform Annotation~

寺本氏は実際にABEJAでABEJA Platform Annotation事業を立ち上げ、責任者を任されている。アノテーションとは、機械学習を行っていく上で、教師データを作るための画像や動画、音声、テキストなどの生データに情報をタグ付けしていくプロセスだ。事業の立ち上げにおいて、どのように最初の問いを立て、仮説検証をしてきたのかを語ってもらった。

寺本氏は実際にABEJAでABEJA Platform Annotation事業を立ち上げ、責任者を任されている。アノテーションとは、機械学習を行っていく上で、教師データを作るための画像や動画、音声、テキストなどの生データに情報をタグ付けしていくプロセスだ。事業の立ち上げにおいて、どのように最初の問いを立て、仮説検証をしてきたのかを語ってもらった。

寺本「もともとABEJAは機械学習のモデルを開発していて、その中で社内でアノテーションをしている時に、とても負荷が大きい工程だと感じていました。機械学習に欠かせない工程ではありますが、それを社内でやるのも無駄だと思っていたのです。そこで、クライアントも同じような課題を抱えているのでは、という仮説を立てて市場調査とヒアリングを始めました。
 
すると案の定、多くのクライアントがアノテーションの工程に課題を感じていたのです。アルバイトやクラウドソーシングに任せている企業もありましたが、作業の精度が重要な工程のため、現場にオペレーションとしてうまく落とし込めず悩んでいました。そこで、機械学習とアノテーションの運用で多くのノウハウを持っていた我々が、事業化することにしたのです」

寺本氏はアノテーションを効率的に行えるアノテーションツールの提供や、社内やパートナー企業と専門のアノテーターを育成し、クライアントのアノテーション業務の受託サービスを開始した。これまで膨大の量のデータを処理してきたABEJAだからこそ、アルバイトでも精度が高く、またスピードを持ってアノテーションができる組織を作り上げたのだ。

寺本「最も大変だったのは精度をいかに担保するかでした。アノテーター個々人によってバラつきがある部分の平準化や、パフォーマンスを上げるために、進捗状況を全てデータ化し、日別、人別で分析していくのです。たとえば、進捗の遅いアノテーターの方がいたらヒアリングを行い、どこに躓いているのか明確にしていきます。課題を明確にしてフィードバックすることで作業の効率も上がり、それをまたプロダクトで解決したり、マニュアルやオペレーションに落とし込むという作業を繰り返したのです。そういった検証と実行を繰り返して、精度とスピードを向上させるノウハウを貯めていきました」

今でも日々検証と実行を繰り返し、アノテーションの精度とスピードを高め続けているという寺本氏。アノテーションのレベルが上がって行き着く先には、どのような世界があるのだろうか。

寺本「数十万件のアノテーションは通常なら1ヶ月以上はかかりますし、2~3ヶ月かかることも珍しくありません。アノテーションは機械学習の上流の作業のため、アノテーションの間は開発をストップさせることになります。さらに問題なのは、アノテーションは1回やって終わりではないということ。より良い機械学習のモデルを開発する為には何度も繰り返していかなければならないのですが、1回やるのに1ヶ月もかかっては腰が重くなります。
 
もしABEJAが1日で数十万件の高品質なアノテーションができるようになったとしたら、そのビジネスメリットは計り知れません。これまでアノテーションに感じていた抵抗を低くすることができれば、より機械学習の開発スピードも上がり、AIが社会に浸透していくのを加速させることができます。
 
その為、オペレーションや人のアプローチだけではなく、技術的なアプローチでそこを大きく解消できるような研究とプロダクト開発を行っています。テクノロジーの力を使って、課題を根本から解決する挑戦を日々続けています」

これからは世界で仮説検証を繰り返していく

テクノプレナーとして仮説検証を繰り返し、イノベーションを目指してきた寺本氏。今後はどのようなことにチャレンジしていくのか語ってもらった。

テクノプレナーとして仮説検証を繰り返し、イノベーションを目指してきた寺本氏。今後はどのようなことにチャレンジしていくのか語ってもらった。

寺本「今の事業は、国内では十分な検証ができたと思っています。もちろん、まだまだスケールさせていかなければなりませんが、どのようなお客さんがどのような課題を感じていて、何をどのように届ければいいのか知見が溜まってきました。ABEJAは『イノベーションで世界を変える』をビジョンに掲げているため、これからは世界でも仮説検証をしていく予定です。
 
アノテーションのサービスをとっても、海外で同じような課題感を持っている人はいるのか、どのようにローカライズすればフィットするのか試してみたいですね。海外にも似たようなサービスは既にありますが、まだまだ精度はよくなく6~7割の精度というのが現実問題としてあります。今の所、ABEJAが提供しているデータは、クライアントのレビューを通しても99%といった高い品質のものを提供できています。これから、ジャパンクオリティとしてそのような高品質な精度のサービスを、どう世界に展開していけるかがとても楽しみですね」

テクノロジーへの深い造詣と、起業家精神を持って、自らが描く世界観の実現に向かって探究を続ける寺本氏の姿は、まさにテクノプレナーそのものだ。そんな寺本氏をはじめABEJAが2019年3月4日、5日の2DAYSにわたって開催したAIカンファレンス「SIX2019」では、テクノプレナーシップの行動精神に則って、ABEJAがクライアントやパートナーとともに実装してきたAI活用事例を50以上のセッションで紹介した。当日参加できなかった方向けにもレポートサイトにて講演資料を順次公開しているようだ。

寺本「イベントではこれまで私達がどのような案件を、どのように対処してきたのかをお話させて頂きました。実はこのイベントは昨年に続き2回目なのですが、昨年は世の中的にもまだまだ事例が豊富ではありませんでした。しかし、今年はご紹介できる事例が多く出てきたので、去年よりもさらに密度の濃いお話ができたと思います。さらに、これから機械学習や深層学習がどんな方向に進んでいくのか、技術的なお話だけでなく、ビジネスにどう反映されていくかもご紹介しました。これからAIが世の中に浸透していくのは明らかなので、ぜひ多くの方に私達の取り組みを知ってもらいたいです」

執筆:鈴木光平
取材・編集:BrightLogg,inc.
撮影:三浦一喜

※ABEJAでは現在採用強化をしております。

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