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社会に新しい価値を。スタートアップに求められるテクノプレナーとは

社会に全く新しい価値を生み出しイノベーションを起こす。スタートアップに求められる「テクノプレナー」とは

スタートアップ領域の近くにいれば、「起業家」を意味する「アントレプレナー」という言葉を聞くことは多いだろう。大企業にもイノベーションが求められている今、組織に属している「企業家」にもアントレプレナーシップは必要である。

しかし、これからの時代には、アントレプレナー以上に求められているものがある。

それが、高度な専門知識を活用しながら、社会に全く新しい価値を生み出すことができる「テクノプレナー」だ。

テクノプレナーとはどういうものなのなのか、なぜこれからの時代にテクノプレナーの存在が必要なのか、創業時からテクノプレナーの重要性を語り続けてきたABEJAの岡田陽介氏に話を聞いた。

第4次産業革命を牽引する起業家精神「テクノプレナーシップ」

まず、ABEJAが掲げるテクノプレナーとはどういうものなのだろうか。

岡田「テクノプレナーとは、テクノロジーを使ったイノベーションで社会に大きなインパクトをもたらす、新しいタイプの起業家のことを指します。オックスフォード辞典によると、テクノロジーとアントレプレナーを組み合わせた造語で、1990年代に使われ始めたとされています。2010年頃からは、ビジネスの現場でも使われるようになりました。そうした起業家たちが持つべき行動精神が、テクノプレナーシップです。
 
エンジニアとテクノプレナーが大きく異なる点は、そのあるべき姿です。これまでのエンジニアは、大半が企業のエンジニアとして、指示を受けて内外のシステムを構築していくことが求められてきました。エンジニアがビジネスそのものに関わる、という事例やモデルはほとんどなかったと思います。それだけエンジニアとビジネスは分断されてきました。
 
一方、これだけ最先端のテクノロジーが相次いで開発されるようになった時代、テクノロジーを活用して新しいサービスやプロダクトを作りだし、ビジネスモデルとして確立させていくためには、深い専門知識や新しい技術に対するアンテナを携えた起業家がより求められるようになってきています。
 
ですが、テクノロジーの専門知識と起業家精神を持ってさえいれば、テクノプレナーになれるわけではありません。ABEJAの考えるテクノプレナーは、アントレプレナーシップを原動力に、リベラルアーツとテクノロジーの領域を循環しながら、社会のあるべき姿を絶えず問い続けていく姿勢が求められています」

テクノロジーと両輪でイノベーションを生み出す「リベラルアーツ」

テクノプレナーを語る上で、欠かせないものとして岡田氏が挙げた「リベラルアーツ」。2010年、AppleのCEOだったスティーブ・ジョブズが「テクノロジーとリベラルアーツの交差点でイノベーションに挑戦している」と語ったのを覚えている人もいるかもしれない。

岡田「リベラルアーツはそもそも、古代ギリシャの奴隷制度から解放された奴隷自身が、奴隷以外の生き方を自ら作り上げていくための指針として確立された学問でした。日本語では『自由な精神であるための教養』『生きる力を身につけるための手法』などと説明されています。いまの時代ですと、正解がないなか、自分なりの問いを立て探究するために必要な手法といった方が、しっくりくるかもしれません。
 
ではなぜ、リベラルアーツの領域が、テクノプレナーシップには欠かせないと考えているのか。20世紀は様々な技術の進化に伴い社会も発展してきましたが、その一方で原子爆弾が開発されるなど、社会に大きな負の影響ももたらしたのもテクノロジーでした。わたし自身、小学生の時にプログラミングの技術を身に着けたことが今につながっていますが、別の側面から見れば、図らずも悪い方向へ暴走しうるスキルを身につけているともいえる。そうであればなおさら、倫理や哲学といったリベラルアーツを会得して、自分なりの軸を身につけなければならないと強く感じてきました。
 
『何のテクノロジーを使うか』ではなく、『このテクノロジーを何のために、どのように使うか』と、テクノロジーがもたらす社会のありようを常に問い続けていく。この思考こそがテクノプレナーシップにおけるリベラルアーツの役割だと考えています」

テクノロジーの専門知識と、リベラルアーツの問い続ける力を併せ持ち、アントレプレナーの姿勢で行動できる人がテクノプレナーと言えるだろう。

なぜ今テクノプレナーが必要とされるのか

では、なぜ今、テクノプレナーが必要と考えるのか。理由は、今の世界に非連続な成長をもたらすイノベーションを起こすためは、そうした人材が求められているから、と岡田氏は話す。

岡田「蒸気機関が発明された第1次産業革命、電力・エネルギーによる第2次産業革命、そして私達の記憶に新しいコンピュータ・情報技術による第3次産業革命。過去にもイノベーションにより、世界に変革がもたらされてきました。そして今、人工知能(AI)やモノのインターネット(IoT)、ビッグデータを軸とする第4次産業革命の時代に入りました。この革命を土台に経済発展と社会的課題の両方の解決を目指す未来「Society5.0」も喧伝されているように、人間のありように大きな影響を及ぼすパラダイムシフトが到来したともいえます。
 
そんな時代には、高度な専門知識と飛躍的な発想で社会に全く新しい価値を作りだすテクノプレナーこそが社会を変革していく、と考えています。こうした価値観のもと、ABEJAは第4次産業革命を引っ張るテクノプレナーを育て、社会に送り出す役割を担っていると考えています」

8000人が登録したカンファレンス「SIX2019」

ABEJAは3月4、5日の2日間、自社主催のカンファレンス「SIX2019」を開催。約8000人もの参加者登録を記録した。

SIX2019では、IT、小売、流通、製造、物流などの幅広い業界のクライアント・パートナーらとともにともにAIの社会実装のためのAIに関する多くの最新事例や活用技術が50を超すセッションで報告された。

また、開催後にレポートサイトを設け、各セッションの資料も順次公開を始めた。

ABEJAは蓄積されたビッグデータとAIの技術を用いて、多様な業界・シーンに社会実装事業を展開してきた。白いキャンバスに自分で絵を描けるテクノプレナーたちが集まっている。

テクノプレナーを目指すなら、注目しておかなければならない企業と言っていいだろう。

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