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2019年上半期、国内スタートアップ資金調達ランキングTOP10

2019年上半期、最も多くの資金調達をしたのは、キャッシュレス決済のPayPay。ソフトバンクグループから460億円の資金調達を実施。様々なキャンペーンを実施し、2019年5月31日時点で累計登録者数は700万人を突破している。

他企業では、2019年秋頃からサービス開始を見込むLINE証券が198億円の大型調達を実施。また、落合陽一氏がCEOを務めるピクシーダクトテクノロジーは2回の調達で総額約48億円の調達に成功している。全体を通すと、業種に偏りはないものの、金融機関や事業会社大手からの資金調達に成功した企業がランクインする結果であった。

それでは、2019年上半期の資金調達ランキングを詳しくみていく。

1位
PayPay 調達金額:460億円

https://paypay.ne.jp/

出資元:ソフトバンクグループ

2018年に誕生したキャッシュレス決済を手がけるフィンテックスタートアップ。
 
PayPayはスマホ決済事業のみを行なっている。同事業の特徴は簡単な利用登録と豊富な支払い方法、キャンペーンの多さ・認知度の高さにある。利用登録は1分以内にすみ、ユーザーは簡単にサービスの利用を始められる。また支払い方法は3種類あり、PayPay残高、Yahoo!マネーとクレジットカードからの支払いからユーザーが選択できる。さらにキャンペーンの認知度が高く、過去には100億円キャッシュバックキャペーンや新規登録でPayPay残高が500円ほどもらえるもの等、インパクトが強い。

2位 JOLED 調達金額:225億円

https://www.j-oled.com/

出資元:INCJ / NISSHA / ソニー

有機ELディスプレイの量産開発加速および早期事業化を目的として、ソニー、パナソニックの有機ELディスプレイの開発部門を統合し、2015年1月に設立。2016年には開発試作ラインを立ち上げ、量産技術の確立と生産性の向上を実現。2017年12月に初の製品である21.6型4Kディスプレイの製品出荷を開始した。
 
同社の独自製造技術をもって生産される印刷方式有機ELディスプレイは、従来の蒸着方式に比べ多品種少ロット生産にも対応が可能で、中型サイズのディスプレイを安定的かつ高効率に生産できる。車載や医療用モニター、ハイエンドモニターなど様々な分野での採用が見込まれている。

3位 LINE証券 調達金額:198億円

出資元:LINE financial / 野村ホールディングス

LINE証券は、LINE Financialと野村ホールディングスの合弁会社。2019年秋にサービス提供を開始する予定。LINE証券では、厳選された日本企業100社の株が1株単位、売買金額が最低150円程度から可能となる予定。同サービスでは、ユーザーとして投資未経験者や初心者も想定しており、平日21時までリアルタイムで売買可能だという。

4位 MUJIN 調達金額:75億円

https://www.mujin.co.jp/

出資元:三井住友銀行

産業用ロボットコントローラの総合メーカーであるスタートアップ。Dr. ロセン博士が開発し、10年以上にわたり世界中で1000以上ものロボットに適用されてきた、世界一の産業向けモーションプランニングAI技術をもとに、知能ロボットコントローラ”MUJINコントローラ”を中心とする高付加価値自動化ソリューションを提供。
 
次世代知能ロボットコントローラ”MUJINコントローラ”の開発・販売事業や、3Dビジョンシステムの開発・販売事業。物流ロボットソリューション事業や、カスタムロボット用コントローラの開発・OEM事業を手がける。

5位 Spiber 調達金額:65億円

https://www.spiber.jp/

出資元:三菱UFJリース / 三菱UFJ銀行 / 山形銀行 / 荘内銀行 / 鶴岡信用金庫/アデランス

2007年9月、神奈川県にて設立。その後、2008年6月に慶應義塾大学先端生命科学研究所のある山形県鶴岡市に移転。同社はNASAも諦めたとされる人工合成クモ糸こと「クモノス(QMONOS)」の開発で世界の注目を集めている。
 
リリース当時ポリエステル以来の大革命と言われたクモノスは組み替えた蜘蛛の遺伝子からなる合成タンパク質を発酵、高分子合成する。米国の軍事研究機関である米国国防研究計画局(DARPA)も巨額の資金を投じる夢のテクノロジーだ。通常のプラスチックや合成繊維はそれぞれ製造するプロセスや工場は全く異なるが、原料になる遺伝子組み換えしたタンパク質を変えるだけで、一つの工場で多彩な性質を持った合成繊維やプラスチックを作れることが最大の特徴だ。原理的には特定の動物の獣毛やキバの合成タンパク質を使えば、それらと似たような性質を持つプラスチックや繊維を製造できるとされている。

6位 ピクシーダストテクノロジーズ 調達金額:48億5千万円

http://pixiedusttech.com/

出資元:商工組合中央金庫/INCJ / K4 Ventures / KDDI / NECキャピタルソリューション /SBIインベストメント / SMBCベンチャーキャピタル / みずほキャピタル / 凸版印刷 /第一生命保険 / 電通

落合陽一氏がCEOを勤めるスタートアップ。2015年1月に米国法人を設立、2017年5月に日本法人化した。モノ中心のIoTの在り方ではなく、End to Endの社会を実装し、人口減少などの社会問題や企業のイノベーションに対して解決策を提案し、デジタルネイチャーのビジョンを描くことを目的に据え、立ち上げられた。合成技術やデジタルファブリケーション技術、AI技術を用いて、問題解決と体験の向上を実現することによって、人類社会への貢献に努めようとしている。
 
ホログラムとAI技術を融合させた三次元物体認識手法DeepHolo、透過性ミラーデバイスを用いた新たなシースルー型HDM実現方式Light Field Blenderなどを開発している。

7位 QDレーザ 調達金額:36億6千万円

https://www.qdlaser.com/

出資元:SBIインベストメント / アクサ生命保険 / ニコン /東京センチュリー

2006年富士通よりスピンオフという形で設立されたスタートアップ。経済産業大臣賞やWIRED Audi INNOVATION AWARDをはじめ、様々な賞を受賞している。
 
同社が提供するスマートグラス「網膜走査型レーザアイウェア」は”見えないものが見える”と注目を集めている。世の中にはロービジョンと呼ばれる矯正視力が両眼で「0.05以上、0.3未満」の人々が約2.5億人いると言われている。彼らはメガネやコンタクトレンズを使っても十分な矯正ができない状態となっている。しかし同社の提供するアイウェアは最先端の極細レーザーを駆使し眼球の奥にある網膜に直接映像を投射するためロービジョンの人々でも、鮮明にものを見ることを可能にするのだ。また網膜上で、肉眼で見ている風景に投影した映像を重ね合わせることも出来、SFの世界のような新しいARを体験を行える。

8位 ミラティブ 調達金額:35億円

https://www.mirrativ.co.jp/

出資元:ANRI / YJキャピタル / グローバル・ブレイン /グロービス・キャピタル・パートナーズ / ジャフコ /伊藤忠テクノロジーベンチャーズ

ディー・エヌ・エーの社内スタートアップとして運営されていた「Mirrativ」が、MBOという形で設立されたスタートアップ。
 
同社は、スマホの画面を共有しながらライブ配信を行う事が出来る「Mirrativ」の開発、運営を事業の主軸として展開。近年では、通信環境の向上という背景からスマホ動画市場が急成長をしている。その中でも注目を集めるのがスマホでのライブ配信だ。すでにいくつかの類似したサービスは存在しているが、その多くは人を中心とした配信になっている。しかし、同社のサービスはスマホ画面をライブ配信するものとなっており、その他のライブ配信サービスとはその点で一線を画す。
 
2019年では、主にゲームのプレイ動画を配信する人が多く、配信者数は急速に拡大。Youtubeにおいても、ゲーム実況動画は非常に人気が高く、平均視聴時間も長いことから熱狂的なユーザーが多い。人気なコンテンツで、近年のトレンドである、モバイル特化、ライブ配信を行う同社は今後の活躍が期待される。

9位 アストロスケールホールディングス 調達金額:33億円

https://astroscale.com/

出資元:三井住友トラスト・インベストメント / 平尾丈 / 東京大学協創プラットフォーム開発

シンガポールを本社拠点、日本を R&D 拠点とし、スペース・デブリ問題に取り組む宇宙事業を営むベンチャー企業。宇宙空間には、宇宙機の爆発・衝突事故等により1センチを超えるスペースデブリが75万個以上存在する。スペースデブリは秒速8kmで地球の軌道を飛んでいて、宇宙機の衝突事故等によりさらに増加することが課題となっている。持続可能な宇宙利用に向け、スペースデブリの除去サービスの開発に取り組む。
 
「IDEA OSG1」は、地球付近に漂う小さな宇宙ゴミを計測する超小型衛星で、0.1ミリから10ミリメートルの宇宙ゴミを地球の高度600キロから800キロメートルの楕円軌道上で計測する。微小な宇宙ゴミの分布や量のモデルを作り、宇宙機の防護設計や衝突被害の最小化に役立てる。
 
2017年9月12日には、国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)と将来のスペースデブリ除去に向けて、共同研究契約を締結。2020年前半には世界初のデブリ除去衛星実証機「ELSA-d」の打上げが計画されている。

10位 ヤプリ 調達金額:30億5千万円

https://yappli.co.jp/

出資元:Eight Roads Ventures Japan/SMBCベンチャーキャピタル / YJキャピタル / みずほ銀行 / りそな銀行 / グロービス・キャピタル・パートナーズ / 日本政策金融公庫

2013年にヤフー出身の庵原保文氏によって設立された企業。2017年11月までに10億円以上の資金調達に成功している。
 
同社のミッションはアプリのテクノロジーで世の中をもっと便利にすることであり、より多くの良いアプリを世に出すためにアプリ運営プラットフォーム「Yappli」の開発、運営をしている。「Yappli」はプログラミング不要で高品質なiOSやAndoroidアプリを開発、運用することを可能にする。これによって簡単に素早くサービスをローンチし、改善をしながらアプリを大きくしていくというIT業界に合ったアプローチをとる事が出来るものとなっている。
 
SoftbankやYahoo、Panasonicといった大企業もこのサービスにすでに登録。また、同社は「SLUSH ASIA」スタートアップピッチコンテストで準優勝、「Tech in Asia」で日本代表に選出をされ、AWS賞を受賞しており、今後グローバル展開も視野にいれながら運営をしている。

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