
160億円の調達を影で支えるGCPと注目のスタートアップ
先週は大型の資金調達が重なり、週次での累計資金調達額が160億円を超えた。その中でも活発な動きを見せたVCが、投資先の上場率が20%を超えているグロービス・キャピタル・パートナーズ(以下、GCP)だ。ZENKIGEN、センシンロボティクス(旧:ブイキューブロボティクス)、justInCaseの3社への出資を行った。
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注目はお金のデザインの59億円という大型資金調達だ。東海東京フィナンシャル・ホールディングス、りそな銀行、三井住友銀行などの金融機関からの資金調達を行い、今回の資金調達で、東海東京フィナンシャル・ホールディングスは同社の株式20%を取得し、持分法適用関連会社になった。ロボアドバイザー市場は急拡大している分野にあり、競合としてはウェルスナビなどがあげられる。同社の特徴は20代から30代をメインターゲットにおいており、1万円から投資を行えることにある。累計の資金調達額は104.8億円となった。
またABEJAも42億5千万円を調達。同社はインターネットにおけるデータはGoogleやFacebookにかなわないと考え、リアルデータを基にした事業を展開。具体的には、小売店のカメラとAIを連携して、来客者の属性や店内などの行動データを蓄積し分析を行う。それによって、店舗施策の分析や改善などが出来るサービスになっており、現在は小売・流通業界、製造業界、インフラ業界の3業界において事業を展開している。
さらに、電力小売向け基幹システムを提供するパネイルはインキュベイトファンドのほか11社から19億3千万円を調達し、累計資金調達額が79億円となった。同社が開発、提供する「Panair Cloud」はAIや自動の顧客管理機能などを用いることによって販管費を従来の1/3まで抑えるものになっており、レガシーマーケットに対して急拡大。社員数35名の段階で売上高80億円を突破している。今年4月には東京電力とのジョイントベンチャーとして、電力やガスを全国に販売する「PinT(ピント)」を設立し、注目を浴びている。
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資金調達を実施した企業リスト
6/25 (月)
調達額:700百万(エアバス・ベンチャーズ、十六銀行、ユニバーサル マテリアルズ インキュベーター、日本政策金融公庫)
統的な美濃瓦の焼成を応用した炭素繊維のリサイクル技術に強みを持つ企業。現在炭素繊維リサイクル事業、再生炭素繊維の販売、炭素繊維リサイクルプラントの販売を行う。
調達額:39百万/クラウドファンディングにて(FUNDINNO)
「豊かな旅のために」というビジョンのもと、訪日旅行者のためのレストラン予約代行サービス「JPNEAZY」や訪日旅行者のためのYoutubeチャンネル「JPNEAZY ch」を開発・運用。インバウンドマーケットは国として、2020年までに2015年の2倍である4000万人呼び込むことを目標としており、急成長を遂げるマーケットにて拡大を目指す。
調達額:60百万(ジェネシア・ベンチャーズ、みずほキャピタル)
建物診断発注プラットフォーム「Rインスペクターズ」を開発・運用。6月25日にはSaaS型「インスペクション管理システム」を正式リリース。
調達額:1900百万(YJキャピタル、りそなキャピタル、千葉功太郎氏、SMBCベンチャーキャピタル、横浜キャピタル、フィールドマネージメント、DG Daiwa Ventures、山口キャピタル、ティー・ワイ・オー、インキュベイトファンド、NCBキャピタル、七十七キャピタル)
「世界中のエネルギー市場に最先端のテクノロジーを」というミッションのもと、AIとビッグデータを活用した電力小売供給基幹システム「Panair Cloud」を研究・開発。
6/26 (火)
調達額:非公表(LINE Ventures、Samsung Venture Investment)
独自の電子透かし技術(RIC)を利用し、コンテンツとユーザーを直接繋ぐ理想的な流通システムを提供。
調達額:80百万(水谷 寿美、飯田 くにこ、takejune、安田 直矢、大湯 俊介、KLab Venture Partners、花房 弘也、iSGSインベストメントワークス、ANRI、赤坂 優)
「運動が続き、健康が続くを当たり前に」というビジョンのもと、自宅にいながら本格ヨガを楽しめるオンラインヨガサービス「SOELU」を提供。
6/27 (水)
調達額:5900百万(東海東京フィナンシャル・ホールディングス、りそな銀行、三井住友銀行)※三井住友銀行、りそな銀行からは融資にて調達/東海東京フィナンシャル・ホールディングスは同社の株式20%を取得し、持分法適用関連会社に。
AI搭載ロボアドバイザー「THEO」を開発・運営。
6/28 (木)
調達額:200百万(みずほキャピタル、WiL、GCP)
動画採用面接ツール「HARUTAKA」を開発・運営。同サービスはスマホやパソコンに内蔵されたカメラを使って面接用の動画を録画したり、リアルタイム面接が可能。
調達額:非公表(NECキャピタルソリューション、ベンチャーラボインベストメント、オークファン)
拡大を続けるトランクルーム市場にて、月額500円で利用可能な収納サービス「trunk(トランク)」を開発、運営している。
6/29 (金)
調達額:1,200百万(鎌倉インベストメント、GCP、Eight Roads Ventures Japan、伊藤忠テクノロジーベンチャーズ)
「ロボティクスの力で、社会の「当たり前」を進化させていく」というビジョンのもと、ドローンによるリアルタイム映像コミュニケーションサービス、トータルソリューション
サービス、全自動ドローン運用サービス、画像認識・解析サービスを開発・運営。
※急拡大するドローン市場について知りたい方はこちらから
調達額:400百万(NCBキャピタル、ジャフコ、他経営陣・個人投資家も含む)
iPhoneやiPad、Android、Windowsなどのモバイルデバイスをビジネス活用する為のサービス開発に特化したエンタープライズモバイルソリューションを提供。
調達額:150百万/シリーズA(LINE Ventures、GCP、500 Startups Japan)
スマホで完結する新しいスタイルの保険を提供しているインシュアテックスタートアップ。現在スマホ保険サービスや大切なモノにかけることができる一日モノ保険サービスを運営。
調達額:1000百万(ジャフコ)
2030年までに民間版の世界銀行をつくり、ほぼ全ての途上国で1億人以上に金融アクセスを提供することを最初のミッションとしており、カンボジアやスリランカ、ミャンマー、インドなど、発展途上国を中心にマイクロファイナンス(小口融資)事業を展開している。
調達額:42億50百万円(インスパイア、NVIDIA、産業革新機構、SBIインベストメント、ダイキン工業、TBSイノベーション・パートナーズ、トプコン、日本郵政キャピタル、武蔵精密工業)
リアルなデータとAIを組み合わせた業務ソリューションの開発、提供。
調達額:430百万円(セガ・インタラクティブ,南都銀行,ベンチャーラボインベストメント,NECキャピタルソリューション,辻・本郷 ビジネスコンサルティング,エルテスキャピタル)
ブロックチェーン基盤技術の特化とそのトレーディングシステムの開発、株式投資管理サービス「マイトレード」の運営、決済認証システム開発を機軸に推進。
6/30 (土)
調達額:非公表/子会社化(オイシックス・ラ・大地)
福岡を拠点とする、システム開発・アプリ開発・ Webサイト制作を行っている企業。今回の第三者割当増資によって、同社はオイシックス・ラ・大地の子会社となった。
調達額:非公表(三菱UFJキャピタル、CROOZ VENTURES、塩田 元規)
日本発VRコンテンツで初のe-Sports化を目指した「Blitz Freak」をはじめとするVR/AR/MRコンテンツ企画・開発を行う。
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