
2018年4月25日にFacebookが2018年度の1Q決算を発表した。
今回は同社の業績ハイライトとCEOのザッカーバーグ氏の表明に着目する。
業績ハイライト
【2018年1Qの主な実績】
└総売上高:119億6600万ドル(前年同期比49%増)
└広告売上高:117億9500万ドル(前年同期比50%増)
└アジア太平洋地域の売上高成長率52%(前年同期比)
└当期純利益:49億8800万ドル(前年同期比63%増)
【Facebookの利用者数:2018年3月時点】
└月間アクティブ利用者数(MAU):22億人(前年比13%増)
└デイリーアクティブ利用者数(DAU):14億5000万人(前年比13%増)
(https://ja.newsroom.fb.com/news/2018/04/first_quarter_results/ Facebook Newsroom)
ザッカーバーグ氏の表明
https://s21.q4cdn.com/399680738/files/doc_financials/2018/Q1/Q1-18-Earnings-call-transcript.pdf Facebook)
(一部省略箇所あり)
ユーザーの個人情報流出が明らかになった1Q
重大な課題に直面したにも関わらず、同社のコミュニティとビジネスは力強いスタートを切ることができた。今や毎月22億人以上、毎日14億人以上の人たちがFacebookを利用している。事業規模は前年比で49%拡大し、120億ドルとなった。
しかしながら、皆さまご存知のように、私たちは直面した問題について申し立てなければいけない。人と人をつなぐ同社のサービスにおいて、ユーザーを選挙妨害や、フェイクニュース、ヘイトスピーチ、個人情報を悪用する開発者から十分に守れていなかったことが今となって明らかになった。
これを受け、私たちは自社のツールが良いことに使われているか再度確認するためにあらゆる人たちとの関係を見直し、多方面なアプローチから責任を取ることを決めた。これまで以上に今後はサービスの安全性やセキュリティ性などのプライバシー対策を徹底する。
再発防止のために
まず、開発者がアクセスできるデータを制限する。昨年フランスやドイツ、アラバマの選挙においての大量の偽アカウントを検知・削除することに成功したAIツールの開発を着々と進めている。
また今年度末までに、セキュリティ及びコンテンツレビューを行うチームに約2万人増員する予定。(略)
さらに政治演説を守るため、広告の透明化を図るツールの開発を進めており(略)、今年の米国での中間選挙での実用化を目指している。
私たちはFacebookコミュニティを守る義務があり、そのためにいくらでも投資する予定だ。同時に、前に進み、新しい価値を提供する人々を繋ぐツールを作り出し続けなければならない。(略)
Facebook、3年・5年・10年後の目標
3年:サービスの健全性と双方向性の向上
2017年4Qには、テクノロジーの良い面と悪い面を踏まえた研究を発表した。この研究ではインターネット上で友人などとコミュニケーションを取ることは長期的な幸福と健康につながるということが判明した。同時に、インターネット上でただビデオやニュースを見ているだけでは長期的な幸福につながらないことが分かった。
2018年1Qでは、一方的に情報を得るプラットフォームではなく、双方向性なコミュニケーションを促すプラットフォームになることを目標とした。効果は少しずつ見え始めている。ニュースフィードに流れてくる動画を受動的に見るユーザーは減少し、ユーザーによる自発的なシェアが増加している。友達と一緒に動画を閲覧することができる新機能「Watch Party」の提供も開始した。これは私たちFacebookだからこそできる機能で、今のところ良いフィードバックをユーザーから受けている。(略)
5年:InstagramやWhatsApp、Messengerのようなビジネスエコシステムの構築
今回1Qにて人気SMSサービス「WhatsApp」のビジネス版である「WhatsApp Business」を提供開始した。たった数ヶ月間でユーザー数3000万人を突破し、ヒット。現在も急成長している。
また、今後はFacebookのニュースフィード上だけでなくストーリー上での広告運用を成功させていきたい。(略)Instagramでストーリーを活用した広告運用は今のところ製品のクオリティやビジネスパフォーマンスにおいて良い結果を出している。
10年:世界をつなぐ新規テクノロジーの開発
Internet.orgはこれまで1億人以上にインターネットアクセスを提供し、今後も引き続き接続サービスに取り組む予定だ。
私たちはもっとも重要なITトレンドはAIだと考える。AIが自社サービスの質を高め、悪質なコンテンツを排除してくれることを期待している。実際、昨年は自社のAIツールによりISISやアルカイダに関連した投稿を削除することに成功し、うち99%のコンテンツは人の目に届く前に削除された。また、自殺に関連した投稿を検知するAIツールも開発しており、助けを必要としている人に即時に対応することができた。
私たちはAIを活用することで人びとがシェアしているコンテンツをより理解し、人びとのつながりを強化することができると考える。
VR分野でのコンテンツも着々と進めている。(略)
2018年は人びとを危険から守り、期待されているサービスを作りつづける任務を実行する1年となる。今後とも皆さまと共に前進できることを期待している。