1. HOME
  2. MEDIA
  3. ソフトウェアで新たな価値を生み出す、ティアンドエスのIPOサマリー

ソフトウェアで新たな価値を生み出す、ティアンドエスのIPOサマリー

システムコンサルティング・ソフトウェア開発・ネットワークインテグレーションの業務を展開するティアンドエス株式会社(以下、ティアンドエス)が東京証券取引所マザーズへの新規上場承認を受けた。

システムコンサルティング・ソフトウェア開発・ネットワークインテグレーションの業務を展開するティアンドエス株式会社(以下、ティアンドエス)が東京証券取引所マザーズへの新規上場承認を受けた。

承認日は2020年7月3日で、上場は2020年8月7日に予定されている。近日には、Sun Asteriskモダリスの上場も控えており、いずれもマザーズへの上場となっている。

ティアンドエスは、「あらゆる産業において、ソフトウェア技術が生み出す新たな付加価値を通じて、お客様に安心と満足そして豊かさを提供すると共に、社員を大切にし、株主様に貢献する」という企業理念のもと、武川義浩氏によって2016年11月に創業され、設立からおよそ4年での上場となる。また同社は、1996年創業の株式会社テックジャパン 、1985年創業の株式会社シナノシステムエンジニアリングの新設合併よる設立となっている。

本記事では新規上場申請のための有価証券報告書Ⅰの部の情報を元に、同社のこれまでの成長と今後の展望を紐解いていく。

2016年〜2017年にかけて売上高は約14倍に成長

売上高は、2016年から2019年にかけて成長を続けている。2017年11月期には、2016年11月期に比べて1年で約14倍に成長していることがわかる。その後も順調に成長を続けている。営業利益に関しては、2020年5月期には164,693千円となっていて、年間で見ると昨年を上回る結果が予想される。

売上高は、2016年から2019年にかけて成長を続けている。2017年11月期には、2016年11月期に比べて1年で約14倍に成長していることがわかる。その後も順調に成長を続けている。営業利益に関しては、2020年5月期には164,693千円となっていて、年間で見ると昨年を上回る結果が予想される。

3つのカテゴリーの特徴とは?

同社は、システム開発及びその関連サービスの単一セグメントであるが、事業の構成を3つのカテゴリーによる構造としており、「相対的に安定したベースロード的な利益体質の事業基盤:ソリューションカテゴリー」と「半導体工場内システムの運用・保守を支援する安定分野:半導体カテゴリー」及び「高度なソフトウェア技術により新市場を創出する成長分野:先進技術ソリューションカテゴリー」となっている。

①ソリューションカテゴリー
ソリューションカテゴリーでは、大手企業顧客向けの請負(開発・運用保守)を中心としたサービスを展開。現在は、キオクシアグループ東芝グループ日立グループなどの大手企業グループを対象としており、経験と実績をもとに他の大手企業や中堅企業への事業開拓を行っている。特徴は、発注元を特定の業界に依存しないことだ。開発だけでなく、コンサルティング、要件定義、テスト、検証まで、全てのバリューチェーンを網羅できるよう努めている。

②半導体カテゴリー
半導体工場内のシステム運用やシステム保守サービスを展開。同社の前身である旧株式会社テックジャパンは、20年以上前から工場を建設する顧客との関係強化に努めてきており、安定的に人材を提供する体制を整えている。半導体工場内のシステム保守および運用サービスや、ITヘルプデスクなどのITインフラストラクチャー運用を支援している。

以下の2点が具体的なサービス内容である。
・工場システム運用サービスは、顧客の日々の工場運用が、システム上のトラブルなくスムーズに稼働できるよう、サポートを行う業務
・工場内システム保守サービスは、同社の技術者が、顧客の工場内で稼働する生産システムや社内インフラシステムなどの改良・改修や調整・修理を行う業務

③先進技術ソリューションカテゴリー
ネットワーク・画像認識・ハードウェア制御・メモリ高速化など最新高度技術を駆使して、ソフトウェアの高機能化及び品質向上を実現するサービスの提供を行う。現在はAIテクノロジー業務として、論文調査、論文アルゴリズムの実装・評価、アノテーション(注)サービス、メモリ高速化業務としてアルゴリズムレベルの最適化、ハードウェアレベルの最適化などを行っている。


注:あるデータに対して関連する情報を注釈、注記として付与すること。本文の内容について言及する補足的な情報のことを言う。

ソリューションカテゴリーでの売上が全体の80%を占める

上記から全体の売上高の80%以上は、ソリューションカテゴリーからの収益であることが分かる。ソリューションカテゴリーでは、東芝グループ、日立グループ、キオクシアグループなどの大手企業を顧客にしているため、安定した収益が獲得可能である。今後は、先進技術ソリューションに関しても、事業領域を広げていく見込みである。上場後の各カテゴリーの成長に期待したい。

全体の売上高の80%以上は、ソリューションカテゴリーからの収益であることが分かる。ソリューションカテゴリーでは、東芝グループ日立グループキオクシアグループなどの大手企業を顧客にしているため、安定した収益が獲得可能である。今後は、先進技術ソリューションに関しても、事業領域を広げていく見込みである。上場後の各カテゴリーの成長に期待したい。

ソフトウェア市場の拡大に対して、IT人材は不足

①ソリューションカテゴリー
経済産業省の調査によると、国内ソフトウェア市場は、右肩上がりの成長を継続している反面、ソフトウェア開発を支えるIT人材の不足が予想される。つまり、ソフトウェアを専門として事業展開している企業の需要が高まる中で、IT人材をいかに獲得するかがこれらの企業の課題になると思われる。
②半導体カテゴリー
半導体市場は、需給バランスの影響により「半導体サイクル」といわれる大きな波が存在するが、JEITA世界半導体市場予測によると、全体としてはプラスの成長を維持している。経済産業省の調査によると、国内の半導体市場は2020年で3.7兆円あり、同社調べによると、製品別半導体全市場のうち、約1/3をメモリデバイスが占め、DRAMとNAND Flashメモリがその市場を2分しているという。特にNAND Flashメモリは、主にスマートフォンなどの記憶デバイスとして採用されているが、近年のIoTによるデータ量の急激な増大に伴い今後の市場が拡大すると独自に予想している。
③先進技術ソリューションカテゴリー
AI、ロボット、自動運転、IoT等の新技術市場が同カテゴリーの軸であり、市場全体の今後の成長が、事業の成長に寄与すると考えられる。

カテゴリーごとに示す、今後の経営戦略とは?

同社の経営戦略は各カテゴリーごとに示されている。

①ソリューションカテゴリー
大手企業とその関連会社を中心とした顧客戦略を打ち出している。また、事業領域を特化せず、開発バリューチェーン全体を網羅し、お客様の要求する技術及び人材提供モデルに柔軟に対応することを目指している。
②半導体カテゴリー
日本における半導体産業は1980年代から1990年代に比べ縮小しているものの、NAND Flashメモリにおいては、世界トップレベルの製造量を維持している。特に、NAND Flashメモリ工場は今後も継続的に建設されることが予想されている。同社は、半導体工場を有する顧客との強固な関係を維持し、安定的に人員を提供する体制を整えるよう努めていく見込みだ。
③先進技術ソリューションカテゴリー
同分野での業容拡大を目指すとともに、現在は収益化は出来ていないが、次世代AIプロセッサ用ソフトウェア技術を獲得し、他社との差別化を図っていく見込みだ。

経営指標では、事業規模を示す売上高と、本業の収益力を表す営業利益率を重視している。安定した事業運営を行うと共に、事業拡大・収益向上を目指し、企業価値の継続的向上に努めていく方針だ。

上場後の成長の鍵となるのは、IT人材の確保

同社は事業上の対処するべき課題として、以下の7点をあげている。

①IT人材の確保
②人材の育成
③高度ソフトウェア技術力の確保
④事業基盤の強化
⑤事業領域及び顧客層の拡大
⑥品質向上と生産性向上
⑦内部管理体制の強化

市場環境を捉え、IT人材の確保や人材の育成などをキーポイントとして、今後力を注いでいくことが予想される。

2度の資金調達、比較的少ない調達額で上場へ

有価証券報告書とSTARTUP DBのファイナンス情報に基づき、これまでの資金調達の状況を表にまとめた。

表を見ると、2度の資金調達の出資者は、ともに同社従業員であることがわかる。 直近に上場承認を受けた、Sun AsteriskとKIYOラーニングの累計資金調達額がそれぞれ、20億8,900万円とと7億6,610万円であることから、比較的に少ない回数と調達額で上場に至っているようだ。

表を見ると、2度の資金調達の出資者は、ともに同社従業員であることがわかる。

直近に上場承認を受けた、Sun AsteriskKIYOラーニングの累計資金調達額がそれぞれ、20億8,900万円とと7億6,610万円であることから、比較的に少ない回数と調達額で上場に至っているようだ。

同社従業員が株式所有比率のほとんどを占める

上場日は2020年8月7日を予定しており、仮条件の決定日は7月17日。上場する市場はマザーズとしている。

今回の想定価格は2,650円である。調達金額(吸収金額)は7.34億円(想定発行価格:2,650円×OA含む公募・売出し株式数:277,000株)、想定時価総額46.4億円(想定発行価格:2,650円×上場時発行済株式総数:1,750,700株)となっている。筆頭株主は代表取締役である武川義浩氏で、39.87%を保有する。次いで同社関係者である渡辺照男氏が14.30%、同じく関係者である日下理氏が10.76%、取締役執行役員の遠藤玲氏が7.03%を保有する。大株主に事業会社やベンチャーキャピタル、金融機関などが参加しておらず、同社の従業員が所有比率のほとんどを占めていることが特徴として挙げられる。筆頭株主は代表取締役である武川義浩氏で、39.87%を保有する。次いで同社関係者である渡辺照男氏が14.30%、同じく関係者である日下理氏が10.76%、取締役執行役員の遠藤玲氏が7.03%を保有する。大株主に事業会社やベンチャーキャピタル、金融機関などが参加しておらず、同社の従業員が所有比率のほとんどを占めていることが特徴として挙げられる。

※本記事のグラフ、表は新規上場申請のための有価証券報告書Ⅰの部を参考

 

シェアする