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【バーティカルメディアで躍進】ポートのIPO分析

【バーティカルメディアで躍進】ポートのIPO分析

インターネットメディア事業を営む、株式会社ポート(以下、ポート)が2018年12月21日マザーズに上場を果たす。大学在学中から学生マーケティングや新卒採用支援事業などを行ってきた、春日博文氏によって2011年に設立されてから約7年での上場である。ポートは世界中に無くてはならないものを創造することを目指し、3つのメディアを中心に成長を続けてきた。今回はそんな同社の情報をまとめた。

3つの専門的メディア

インターネット事業を展開しているポートは3つの異なる分野でメディアを運営している。キャリア系メディア「キャリアパーク!」、ファイナンス系メディア「マネット」、メディカル系メディア「オンラインクリニック」である。

「キャリアパーク!」では主に就職や転職に関わる情報を提供している。また会員に登録した人向けに就活イベント等も数多く実施しており、ユーザーのキャリア形成の総合的な支援を行っている。また収益化の方法としては人材会社等への送客と会員に直接キャリアアドバイスを行う二つがある。前年度はキャリア領域のみで12億円以上の売上高を記録しており、同社の主力サービスとなっている。

メディア事業を横展開して誕生したのが残りふたつのメディアである。お金に関するライフサポート型サイト「マネット」と医療の分野の医師・看護師による医療情報サイト「オンラインクリニック」である。両サイト専門家監修のもと有益な情報を提供している。「マネット」においては2016年6月に設立されたばかりにもかかわらず、昨年度は約6.5億円の売上高を記録している。

新たなビジネスモデルへの挑戦

ポートが運営する3つのメディアでは基本的に同じビジネスモデルが取られている。それぞれのサイトにおいて、オープンで誰でも見ることが出来る情報あるいは会員限定の情報を提供し、ユーザーを増やし続ける。集まったユーザーの情報を活かして、他の会社への送客を行い収益化を行っている。同時にそれぞれが専門的なメディアのため、記事と広告の相関性を高めることが出来、広告掲載料も収益において重要な位置を占めている。

そしてメディカル分野ではメディア以外の新たなサービスを構築している。遠隔診療サービス「ポートメディカル」とオンラインダイエットサービス「ドクターズダイエット」である。前者は医療機関を限定しているなど、両サービスとも事業開発を行っている段階ではあるがユーザーの決済代行や直接サービス料から収益を得るモデルになっており、同社にとっては新たな試みとなっている。これらはメディアで収集した情報を活かした成果でもあり、新たな収益源として期待がかかっている。

※新規上場申請のための有価証券報告書(Ⅰの部)より編集部作成

積極的な投資によりついに黒字化

※新規上場申請のための有価証券報告書(Ⅰの部)より編集部作成

同社の直近までの業績の推移は以上のようになる。毎年度、大幅に売上高を成長させており、第7期は前年度比205%となる19億円以上を売り上げた。また直近の9月まででも順調に業績を伸ばしており、同時に黒字化にも成功している。一方で、第4期から第7期までは継続した赤字となっているが、その要因として同社は、メディア事業における収益の核となる認知度向上や会員数増加のために、広告宣伝活動等を先行投資として行ってきたことを挙げている。大幅な成長を記録した第7期においても、中長期的なさらなる成長の観点から広告出稿を積極的に行ったことを明かしている。各領域のメディアにおいて第7期から第8期第2四半期まで、利用者数・会員数を伸ばしており直近では黒字化も達成した。今後も継続した利用者数増加のために投資を行っていくとしている。

株主はVCが上位を占める

上位の株主の構成は以下の通りとなる。代表取締役CEOを務める春日氏と取締役副社長COOを務める丸山氏を除いてほとんどがベンチャーキャピタルという構成になっている。継続して社外から評価され支援を受けていたことがわかる。またその中でも最初期において投資をしたサムライインキュベートや20%以上を保有し大規模な投資を行っているEight Roads、50社以上をEXITさせた実績を持つグローバル・ブレイン上位に入っている。また今回の上場にあたり、会社側から20人以上の従業員にもストックオプションを配っており彼らも恩恵を受けることが出来そうだ。

※新規上場申請のための有価証券報告書(Ⅰの部)より編集部作成

また今回の想定発行価格は1450円、公募売り出し数はオーバーアロットメント含め3,673,600株となっている。想定時価総額は約166.4億円、吸収金額は53.2億円であり中規模の案件となっている。

「無くてはならないもの」を創り続ける

ポートは事業の範囲をメディアを通じた情報提供から行動促進まで現在広めている。言い換えると、ユーザーの行動に対して調べる段階から行動するところまで、他社とも連携をしながら包括的に支援している点が同社の最大の特徴である。そしてそれらの事業を通じて、着実に成長を続け足元では黒字化にも成功した状態で、IPOを果たすこととなった。

「世界中に、アタリマエとシアワセを。」をミッションとして掲げ、メディア事業を中心にあらゆる人々に情報やサービスを提供してきた。今回の上場はひとつのゴールであるが、その一方で同社のさらなる成長のための一手でもある。今後もメディアを中心に多様なサービスを産み出し、多様な人々に届け続けていく。

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