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LINEとLINE Ventures投資分析:LINEが目指す世界とは

LINEとLINE Ventures投資分析:LINEが目指す世界とは

コミュニケーションアプリ『LINE』は、今や国内で知らない人はいないサービスになったと言えるだろう。そして、運営元であるLINE株式会社(以下、LINE)は多様な子会社・関連会社を持つ時価総額約7500億円の巨大企業となっている。

そんな多数の子会社の中に、ベンチャーキャピタル業を担うLINE Ventures株式会社(以下、LINE Ventures)が存在する。2014年9月に設立された同社は、2018年11月現在ふたつの運用ファンドを持ち、日本を含む8か国、30社以上をポートフォリオに含むVCに成長した。今回の記事では、LINE及びLINE Venturesの投資を分析し、LINEの描く未来とその中で重要な役割を果たすLINE Venturesについて紹介したい。

内容に入る前に1つ注意しておくべき点がある。グループの中にLINE Venturesというベンチャーキャピタルを専門で担う会社があるが、実は同社のみが投資事業を行っているわけではない。LINE自体からも投資を行うケースもある。例えば、テーマ投資のFOLIOやAIソリューションプロバイダのAnyMind GroupにはLINEから資金を提供している。これらの企業に共通するのはあるひとつの構想にマッチし、かつコミュニケーションアプリ「LINE」とのシナジーが見込まれるとLINEが考えた企業と見られる。その構想とは何かについても、併せて触れていく。

LINEが目指すプラットフォームとは

LINEとLINE Ventures投資分析:LINEが目指す世界とは-green

LINEは『CLOSING THE DISTANCE』というコーポレートミッションを掲げている。これはLINEを通して人と人、人と情報・サービスとの距離を縮めるという意味が込められているが、その実現のために『スマートポータル』の実現を目指している。

『スマートポータル』はゲームや音楽等の『コンテンツ・プラットフォーム』と決済や求人といった生活関連の『ライフ・プラットフォーム』から構成される。事実、「LINE」を通して投資や保険、ニュース、ゲーム、マンガといった多種多様なサービスにアクセスすることが出来、これらのサービスは増え続けている。その理由はたった1つであり、「LINE」を入り口としてあらゆる情報やサービスにつながることの出来る『スマートポータル』という完成形を目指しているからである。

このビジョンの中でLINE Venturesが担う役割は、比較的中長期的な目線に立ったものと言えるだろう。同社が投資方針で明らかにしているように、投資時点でのLINEグループとの明確なシナジーの可能性は要求していない。むしろシードからレイターまで、国も問わず革新的なビジネスを行う多様な企業に資金を提供している。そしてスマートポータルの多角化がさらに進んだ先、あるいは投資先が成長した際のシナジーを狙っているのかもしれない。

LINE の投資先

freee(日本)

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https://corp.freee.co.jp/

会計や人事労務といったサービスを軸にスモールビジネスをサポートし続けている企業。『会計freee』は利用事業者数が100万を突破するなど国内を代表するクラウド会計サービスとなっている。2018年11月には新たに LINE Pay株式会社と共同でスモールビジネスの経営者向けに『LINE店舗経理』を提供することを発表した。

FOLIO(日本)

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https://folio-sec.com/

FOLIOはより多くの人に投資を身近に感じてもらうことを目指し、少額で好きなテーマ10社に分散投資が出来る『テーマ投資』とカンタンに自分に合った資産配分で投資してくれる『おまかせ投資』を提供している。2018年10月には、『LINE』上から身近に投資を通じた資産形成を可能にする『LINEスマート投資』を提供開始している。

LINE Ventures の投資先

では、実際にLINE Venturesの主要な投資先を見てみよう。

まずはLINE VenturesがHPにて公開している国別の投資先企業数である。以下のように、日本だけでなく多様な国に投資していることがわかる。ここから見て取れる一つの特徴は、アジアを中心に投資していることである。これは「LINE」のユーザー基盤が東南アジアを中心としていることと関係があると考えられる。

LINEとLINE Ventures投資分析:LINEが目指す世界とは-company

※LINE VenturesのHP ( https://lineventurescorp.com/ja/ ) を参考に編集部作成

主要投資先紹介

実際にLINE Venturesが投資している企業の中から主要なものを紹介したい。

GROOVE X(日本)

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https://groove-x.com/

トヨタ自動車やソフトバンクを経験し『Pepper』の開発にも携わった林要氏が設立したスタートアップ企業。「命はないのに、あったかい」をコンセプトとしたロボット『LOVOT(ラボット)』の開発を行っている。同製品は2018年12月に製品発表、2019年中の一般発売予定である。

justInCase(日本)

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https://justincase.jp/

『スマホ保険』や『一日モノ保険』等のサービスを提供する保険テック企業。『スマホ保険』はアプリで申し込みが完結するユーザーフレンドリーなスマホに掛けられる保険。以上のようなテクノロジーを用いた、新しい商品を市場に提供し、より保険を身近なものにすることを目指している。

CATALOG(アメリカ)

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https://catalogdna.com/

カタログ社はアメリカのボストンに拠点を置く医療系のベンチャー企業。独自の技術でDNAの情報を収集し保存している。数多く存在するビッグデータの中から、DNAのデータにおける新たなプラットフォームの構築を目指している。

Nimble Pharmacy(アメリカ)

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https://www.nimblerx.com/

同社も医療分野でのサービスを提供している。あらかじめ指定したスマートフォンなどから処方箋を送信するだけで、無料で薬を配達してくれるというサービスだ。既に設立してから500万回以上の配達の実績も持ち合わせている。

Syte.ai(アメリカ)

syte-hp

https://www.syte.ai/

Syteもアメリカに拠点を持つ、EC市場を消費者がより便利になるようなサービスを展開しているスタートアップ。消費者が撮影した写真をアップロードすることで、その写真の中の人が身に着けているアイテムに似た商品をオンライン上で探してくれるというもの。消費者にとってはよりほしいものを探しやすくなり、小売り業者側も販売の機会を拡大できるというサービスになっている。

Balance Hero(韓国)

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http://truebalance.io/

Balance Hero はインドにて5000万ダウンロードを記録した韓国製モバイルユーティリティアプリ「True Balance」を開発・運営している。プリペイド型のスマートフォンが主流のインドで、スマートフォンの料金残高を簡単にチェックできるサービスだ。スマートフォンの販売数が大きく増加しているインドで成功を収めている。

LINE Ventures が創るプラットフォーム

以上であげたような投資先の他にも、空き地を利用して屋台を提供する事業を営むスタートアップ等、一件コミュニケーションアプリには相関がなさそうなものも見られた。また2018年11月にはミニアプリ構築サービスを運営するエボラ二への資金提供やみずほフィナンシャルグループとの共同での銀行業参入も発表された。

LINEはコミュニケーションアプリを入り口としたあらゆるモノへのプラットフォームを、グローバルな視点で構築し続けている。そして、プラットフォームの新たな柱となるサービスはLINE Venturesの投資先に眠っているかもしれない。

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