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顧客対応DX化プラットフォーム「Discoveriez」展開、ジーネクストのIPOサマリー

顧客対応をDX化するプラットフォーム「Discoveriez」を提供する株式会社ジーネクスト(以下、ジーネクスト)が東京証券取引所マザーズに上場承認された。承認日は2021年2月22日で、同年3月25日に上場を果たす。

ジーネクストは「テクノロジーの力で顧客対応のデジタルシフトを支援」というビジョンを掲げ、様々な規模・業種の企業に、「Discoveriez」を主にクラウド形式で提供する。2001年7月の創業からおよそ19年9ヶ月での上場となる。

本記事では、新規上場申請のための有価証券報告書の部の情報をもとに、同社のこれまでの成長と今後の展望を紐解いていく。

売上高は着実に成長、営業利益も黒字化を達成

上図は過去5年間の売上高と営業利益の推移である。2021年3月期の売上高は2016年3月期からの5年間で2.1に成長した。営業利益は、2021年3月期に約6,542万円の黒字となり赤字から脱却し、着実な成長を遂げている。

安定した成長と、営業利益の黒字転換の背景には、「Discoveriez」の新規顧客の獲得とともに、提供サービスのアップセル・クロスセルの促進による既存顧客との取引拡大にも注力してきたことがある。

また、過年度より「Discoveriez」の基盤開発、並びに機能強化の先行投資を行ってきた結果、個別案件のカスタマイズ費用低減等により粗利率が改善したことも挙げられる。

クラウド事業とオンプレ事業に区分される「Discoveriez

「Discoveriez」は、クラウド方式で提供されるソフトウェアである。コールセンターで受け付けた顧客からの電話、メールやチャットなどの内容を一元化し、社内の各部署・社外を含めたステークホルダーとの情報共有、ワークフローによる対応処理の承認や記録、リスクマネジメント、品質管理・新商品開発情報、集計や分析などをシームレスに管理することができる。

同社グループの事業は「顧客対応DXプラットフォーム事業」の単一セグメントで、 クラウド事業、オンプレ事業の2つのサービスに区分できる。

① クラウド事業

従来のオンプレミス型顧客対応窓口向けサービスで培ったノウハウをクラウド型に昇華した、汎用性の高いプラットフォーム「Discoveriez」を提供。

業界知や蓄積したデータの分析により、顧客の声からビジネスのリスクやチャンスを発見・予測する技術を開発しており、 セルフカスタマイズが可能な基本機能に加えて、AIを使った独自のサービスなど用途に応じたオプション機能を多数提供する。

また、同社の開発力を活かし、顧客ニーズを素早く「Discoveriez」の機能としてフィードバックすることで、顧客満足度を高める取り組みを行っている。 
② オンプレ事業 

「Discoveriez」は、オンプレミス型の顧客対応窓口向けサービスとしても事業を展開している。ユーザー企業のBCP対策および情報資産管理の観点から、自社サーバーで構築・運用を求められた際にワンストップで提供する。また、各ユーザー企業の業務フローに合わせた機能をカスタマイズで構築することもできる。

クラウド事業が成長を見せ、売上高の75.5%を占める

カテゴリー別売上高では、2020年12月期の全売上高に占める割合は、クラウド事業が75.5%、オンプレ事業が18.7%、その他が5.8%となっている。その他には、一定期間の最低限の仕事量を保証するラボ型開発、コンサルティング業務等が含まれている。

クラウド事業は、2020年3月期から164.2%の成長率となっている。これは、既存情報システムのオンプレミスからクラウドへの移行だけでなく、DXの実現を目的としたサービス利用の拡大によるものだ。

また同社は、「Discoveriez」の新規顧客の獲得とともに、提供サービスのアップセル・クロスセルの促進による既存顧客との取引拡大にも注力してきた。その結果、合計売上高は堅実な成長をみせた。

クラウド市場は、高水準での成長が予想される

同社が事業を展開するクラウド市場は急速な成長を続けている。

株式会社MM総研の「国内クラウドサービス需要動向調査(2020年)」によると、2019年度のクラウドサービスの市場規模は2兆3,572億円で、前年度比21.4%増と大きく拡大した。2024年までの市場全体の年平均成長率(CAGR)は18.4%と高水準になる見通しである。

また、オンプレミスからクラウドへの移行が進むにつれて、クラウド利用を前提としたシステム開発を進める環境が整い、クラウドシフトに弾みがつく。大手企業ほどその傾向が顕著となっている。

同社の「Discoveriez」は、このように動向を捉え、クラウド市場の継続的な成長を前提として事業の拡大を見込んでいる。既存情報システムのオンプレミスからクラウドへの移行を進め、クラウド事業の利益を着実に伸ばしていることは、この戦略の裏付けとなっている。

サービス向上・顧客基盤確保・戦略パートナーシップの構築に注力

同社のミッションである“お客さまの声で世界を変える”の実現のため、顧客対応DXプラットフォーム「Discoveriez」をオンライン・オフライン問わず顧客対応が必要な様々な企業に提供していく。

また、企業に提供することで生まれるノウハウをフィードバックすることでプラットフォームの機能を強化し、 高い顧客満足度と新規営業への貢献など、顧客基盤を固めていく。そして、競争力があるプラットフォーム開発を目指すことで、販売や事業提携などの戦略的パートナーシップの構築にも力を入れて行く方針だ。

さらに同社は、持続的な成長と企業価値の向上を目指しており、主な経営指標として売上高、営業利益を重視している。そのため、経営上の目標達成状況を判断するための客観的な指標は、クラウド事業およびオンプレ事業共に新規導入件数であるとしている。 

既存顧客営業の強化や追加オプション機能(音声認識機能、店舗検索機能等)をはじめとしたアップセル・クロスセルサービスの開発、導入等の施策を推進するとともに、適正な人員規模・人材配置による事業運営を図っていく。

主要サービスのユーザビリティ向上が成長の鍵

同社は事業上および財務上の取り組むべき課題として、以下の6つを挙げている。

① ユーザビリティの更なる向上
② 新規顧客の獲得
③ システムの安定性の確保
④ 人材の確保と育成
⑤ 内部管理体制の強化
⑥ 利益およびキャッシュフローの創出

主力サービスである「Discoveriez」が今後も継続的に成長していくためには、競争優位性の源泉となっているユーザビリティの維持向上が必要不可欠であると考えている。

そのため、今後も顧客のニーズを迅速に把握し、継続的に「Discoveriez」の機能強化に注力することにより、競合他社との差別化を図っていく方針だ。

また、サービス利便性および機能の向上のために優秀なエンジニアの継続的な採用をすべく、従業員の多様な働き方を推進して採用力を高めていく。また、既存人材の能力および技術の向上のため、教育・研修体制の充実化を進める。

主に個人から累計71,200万円を調達

これまで10回の資金調達を実施し、累計で7億1,200万円を調達している。

出資元には、同社代表取締役の横治祐介氏を筆頭に同社役員および従業員である個人が名を連ねているほか、DG Daiwa Venturesヤマモリ商事三菱UFJキャピタルスガシタパートナーズグッドウィズが参画している。

2019年11月には、「Discoveriez」における顧客のデータ解析ならびにソリューションに直結するAIやアルゴリズム開発の加速を目的として、2億6,500万円の調達を実施した。

想定時価総額と上場時主要株主

上場日は2021年3月25日を予定しており、上場する市場は東証マザーズとしている。SMBC日興証券が主幹事を務める。

今回の想定発行価格は1,130円である。調達金額(吸収金額)は7.2億円(想定発行価格:1,130円×OA含む公募・売出し株式数:639,900株)、想定時価総額は、46.1億円(想定発行価格:1,130円×上場時発行済株式総数:4,082,200株)となっている。

公開価格:1,230円
初値:2,851円(公募価格比+1,621円 +131.7%)
時価総額初値:116.38億円

※追記:2021年3月26日

筆頭株主は同社代表取締役の横治祐介氏で、39.42%の株式を保有する。次いで、株式会社XTIAの取締役で、同社の顧問も務める井上瑞樹氏が4.84%、三菱UFJキャピタルが3.75%を保有する。

※本記事のグラフ、表は新規上場申請のための有価証券報告書の部を参考

 

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