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Webマーケティング&クラウド事業を手掛ける、ジオコードのIPOサマリー

Webマーケティング事業やクラウド事業を手がける株式会社ジオコード(以下、ジオコード)が東京証券取引所ジャスダックに上場承認を受けた。承認日は2020年10月21日で、同年11月26日に上場を果たす。

ジオコードは、「社会の模範となる、唯一無二の魅力的な会社を創る」という企業理念のもと、原口大輔氏(以下、原口氏)によって創業。WebマーケティングノウハウとIT技術を駆使してBtoB領域を中心に、サービスを提供している。2005年2月の設立からおよそ15年での上場となる。

本記事では、新規上場申請のための有価証券報告書の部の情報をもとに、同社のこれまでの成長と今後の展望を紐解いていく。

売上高は5年前に比べて2倍に、営業利益も成長を続ける

上図は、過去5年間の売上高と営業利益の推移である。売上高は、2015年7月期に比べて2020年2月期では約2倍になっており、継続的に売上高が伸びていることがわかる。2018年の2月期からは、会計期間の変更が行われた。

また、営業利益は、公表されている2019年2月期より1年で3倍以上に増加しており、前年期を上回った。第2四半期累計期間の2020年8月期末時点では、営業利益が5,503万円となっている。

Webマーケティング、クラウドの2つの主要事業とビジネスモデル

同社は、顧客のWeb領域における課題を総合的に解決するWebマーケティング事業と、クラウド型業務支援ツールをSaaS形態で提供するクラウド事業を展開している。

(1)Webマーケティング事業

①SEO対策
Google、Yahoo!JAPANなどの主要検索エンジンを通じて集客を行うことを目的としたSEO対策を行う。

②Web広告
リスティング広告を中心としたWeb広告全般の運用代行サービスを行う。Googleやヤフーなどが提供するリスティング広告及びコンテンツ連動型広告を主軸としつつ、FacebookやLINEなどが提供するSNS広告も含め幅広い広告媒体に対応した運用代行を行っている。

③Webサイト制作
顧客が開設又はリニューアルを予定するWebサイトの企画・制作・保守運用サービスを行う。SEO対策やWeb広告において培ってきたノウハウを活用して、Webサイト制作においても企画設計の段階から集客を意識したWebサイト制作を展開する。
(2)クラウド事業

①勤怠管理・交通費精算・経費精算ツール「ネクストICカード」
交通系ICカードを利用して、勤怠管理や交通費精算に加え、交際費や会議費などの経費精算も簡単に処理できるクラウド型業務支援ツールの運営を行う。

②営業支援ツール「ネクストSFA」
見込み顧客の管理から商談履歴の管理、さらに案件成立後の顧客管理までの一連の営業プロセスを見える化し、効率的に管理できるクラウド型業務支援ツールを提供する。

Web広告とSEO対策が収益の柱に

セグメント別の売上は、Webマーケティング事業(Web広告、SEO対策、Webサイト制作)が全体の90%以上を占め、収益の中心となっている。

Webマーケティング事業の中では、Web広告が最も収益に占める割合が高く、全体の50%以上となっている。また、SEO対策は全体の約30%の収益となっており、安定した収益基盤となっていることがわかる。

インターネット広告市場、クラウド市場ともに成長を続ける

同社が主な事業領域としている国内インターネット広告市場は、2019年日本の広告費によると、2014年以来6年連続で2桁成長を続けている。

また、全国の広告業務を主業とする事業所を対象とした経済産業省実施の「平成30特定サービス産業実態調査」によると、同領域では潜在的な成長余地があると考えられる。その理由として、広告費全体に占めるインターネット広告費の割合は、東京都においては21.7%であるのに対して東京都以外の地域においては6.1%にとどまっているためである。

さらに、同社がクラウド事業を展開している国内クラウド市場においては、外部サービスとの連携の容易さや初期導入費用の抑制の利点から、SaaS形態によるクラウド型ツールの導入が進んでいる。このことから、富士キメラ総研の「ソフトウェアビジネス新市場2019年版」によると、急拡大を続ける市場と期待されている。

ジオコードが掲げる、中長期的な戦略と8つの経営課題

同社は、継続的かつ安定的な事業規模拡大を目指し、主力事業であるWebマーケティング事業を中心に、営業活動に加えて自社が運営する自社メディア経由の引き合いからの受注強化や、代理店開拓を含めた多様な販売経路の確立を目指している。

さらに、地域金融機関や地方公共団体の他、全国展開する企業などとの関係強化を図ることで地域経済の活性化に貢献する地方創生に向けた活動への取り組みを推進していく方針だ。

また、クラウド型業務支援ツールの開発及び営業活動にも注力し、中長期的にはクラウド事業をWebマーケティング事業にならぶ主要事業へと育成していく方針だ。

同社は事業上及び財務上対処すべき課題として、以下の8つを挙げている。

①Webマーケティング事業におけるサービス品質の維持・向上
②クラウド事業における提供ツールの機能向上
③継続取引の強化による収益安定化
④営業力の強化と新たな販路の開拓
⑤認知度の向上
⑥人材の確保と育成の強化
⑦経営管理体制の強化とコーポレート・ガバナンスの強化
⑧情報セキュリティ体制の強化

インターネット広告市場は、インターネットの普及と急激な技術革新により急速に拡大しており、インターネットメディア広告費がテレビメディア広告費を超えるに至っている。また、クラウド市場は今後も急速な成長が継続すると見込まれているため、同市場でのさらなる事業展開を図っていく計画である。

想定時価総額と上場時主要株主

上場日は2020年11月26日を予定しており、上場する市場はジャスダックとしている。

今回の想定価格は、1,250円である。調達金額(吸収金額)は9.63億円(想定発行価格:1,250円×OA含む公募・売出し株式数:770,500株)、想定時価総額は30.87億円(想定発行価格:1,250円×上場時発行済株式総数:2,470,000株)となっている。

公開価格:1,250円
初値:3,025円(公募価格比+1,775円 142.0%)
時価総額初値:74.71億円

※追記:2020年11月27日(上場日)

筆頭株主は、同社代表取締役である原口氏の資産管理会社ディーグラウンドであり、43.01%を保有する。次いで、原口氏が個人として37.35%、専務取締役の吉田知史氏が3.70%を保有する。

また、識学が運営する識学1号投資事業有限責任組合、Orchestra HoldingsのCVCである、Orchestra Investmentがベンチャーキャピタルとして名を連ねている。そのほか事業会社では、グローバルWi-Fiなど情報通信サービスを展開するビジョンが3.58%を保有する。

※本記事のグラフ、表は新規上場申請のための有価証券報告書の部を参考

 

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