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スタートアップが短期成長を掲げたときに読みたい、資金調達の基礎

スタートアップが短期成長を掲げたときに読みたい、資金調達の基礎

近年、国内スタートアップによる資金調達が活発化している。国内スタートアップの資金調達額が2018年上半期で1,732億円となり、記録が残る10年間では最高を更新した。これは前年同期比40%増加という結果だ。

2018年下半期にもfreee(65億円)やFinatext(60億円)を筆頭に大型資金調達は続いており、STARTUPDB調べでは2018年通年で3,648億円という着地になり、2017年の2,548億円を大きく上回る結果となった。この資金調達額の急増は、スタートアップが成長していくための環境整備ができた証ともいえる。

スタートアップとは「短期で急成長を目指す組織」のことを指し、その言葉も徐々に定着してきた。そして企業成長のための資金調達環境も整ってきたといえる。これよりスタートアップ側が人材採用強化していることから、次のキャリアの選択肢としてスタートアップを考えている人が増えてきている。

この背景を受け、スタートアップを選ぶ上でのひとつの選択肢として、資金調達における基礎知識を解説する。

今、なぜ資金調達(エクイティファイナンス)が活発なのか

資金調達とは会社設立や事業運営に必要な資金を得ることを指す。これを大きく分類すると、直接金融と間接金融のふたつに分かれる。

直接金融は、株式や社債の発行などによる、第三者の介入なく行う資金調達方法。間接金融は、金融機関などの第三者の介入によって資金を調達することを指す。

また、より細分化すると下記の3種類に分類できる。

1 . エクイティ・ファイナンス
株式を新たに発行し、投資家にその株式を購入してもらい、それを資金とする方法
2 . デット・ファイナンス
銀行からの借り入れや社債の発行など、負債として資金を得る方法
3 . アセット・ファイナンス
すでに保有している資産を売却し現金化することで資金を得る方法

スタートアップが用いる資金調達の種類としては、エクイティファイナンスが主流である。なぜならアセット・ファイナンスはもともと何か資産を保有していないとならないからだ。デット・ファイナンスの場合においても、融資を受けられるだけの信用を勝ち取ることは難しい。

スタートアップは最初から負債を背負うことを極力避けるべきだ。それは、借り入れした資金返済のプレッシャーがつきまとってしまうため。しかしエクイティファイナンスは元本を返す義務がないため、スタートアップにおいて基本的な資金調達の方法だといえる。

資金調達は短期での事業成長に必要不可欠

資金調達は短期での事業成長に必要不可欠

スタートアップが資金調達を行う最大の理由は、短期で急成長を目指すためである。急成長を望まないのであれば、資金調達する必要性は高くない。売上を作り、利益を出し、税金を払う。残った資金で投資をして、また売上を作り、利益を出す。こんなサイクルで少しずつ成長していけば良いのである。

つまり自社の利益以上に成長するためには、資金調達を行い、人材採用やマーケティング新規事業への投資していく必要があるのだ。

資金調達環境が整い出した2つの背景

最近では、大型の資金調達リリースも珍しくなくなった。小規模なものであれば、比較的容易に資金調達を行なっているようにすら見受けられる。というのも、現在は以下のふたつの理由から、資金調達市場が循環するようになっているのだ。

1 . 大手事業会社がスタートアップとの事業シナジーに乗り出している

ここ最近スタートアップのニッチな領域における技術力の高さは、大手事業会社やベンチャーキャピタル(以下、VC)にとって魅力に映るようになってきた。

そのスタートアップの技術力の高さを大手事業会社でも活かすために、信頼関係構築のひとつの手段として投資が活発になっている。最近では事業会社が自己資金でファンドを組成し、スタートアップに出資や支援を行う投資組織を設立するケースが多くなってきている。これをコーポレートベンチャーキャピタル(以下、CVC)という。

2 . VCへ出資する有限責任組合員が増加している

上記のように、事業会社がファンドを組成するのは、そう容易ではない。組成には時間も資金も必要とするため、一部の企業でなければ困難だ。そんな現状を鑑みてか、現在はVCへ出資する有限責任組合員も増加している。

すでに存在するVCファンドに有限責任組合員として出資することで、自社で仕組みを作ることなくスタートアップの支援ができるようになっているのだ。また国としてもスタートアップを応援する流れも活発化していることから、金融機関もVCファンドに出資するケースが見られる。

VCの業界団体である日本ベンチャーキャピタル協会によると、2018年のVCファンドの資金調達額が3,000億円台中盤に達した。これは1,500億円程度だった3年前から倍増し、今後短期的には5,000億円を目標に引き続きリスクマネーの供給拡大に取り組む方針を取るという。VCはより多くの資金を持つため環境が整備され、スタートアップにより投資を行い安くなっていると考えて良いだろう。

スタートアップが用いる資金調達の3つの方法

スタートアップの成長において、資金調達は非常に重要であることを解説してきた。ここからは、資金調達の実施方法について、スタンダードな仕組みを3つご紹介する。

1.VCやCVCなどからの出資
2.エンジェル投資家からの出資

3.株式投資型クラウドファンディング

これらを上手に選択、組み合わせるなどを行いながら、先ほどご紹介したような大型資金調達を実現している。それでは、ひとつずつ順番に見ていこう。

1. VCやCVCなどからの出資

もっともポピュラーな資金調達方法。VCやCVCとは投資会社のことを指す。ハイリターンを狙った積極的な投資や、投資先との事業シナジーを期待した投資を行なっているケースがほとんどだ。

もっともポピュラーな資金調達方法。VCやCVCとは投資会社のことを指す。ハイリターンを狙った積極的な投資や、投資先との事業シナジーを期待した投資を行なっているケースがほとんどだ。

厳しい審査を経て将来性のある企業にのみ出資を行うため、資金調達できる金額は数十億円になるケースもある。次で詳しく解説しているエンジェル投資と同様、エクイティファイナンスに分類される。

VCやCVCは、株式の売却や投資先である企業の権利の売却によって利益を得るビジネスモデルである。多額の出資を受ける代わりにVCへ未上場株を渡す必要があり、将来的にIPOやM&Aなど、つまりEXITすることが条件となっている。

2. エンジェル投資家からの出資

エンジェル投資家とは、豊富な資金を有する個人投資家を指す。彼らからの出資は基本的にエクイティ・ファイナンスに分類され、起業家を資金面や精神面などもサポートしている。

個人であるエンジェル投資家からの出資を受けることで、資金以外に得られるものは多い。

①戦略やマインドなどの事業に関わる知見
②人脈や信用
③資金調達先の紹介

個人投資家の多くは、起業家を応援するために投資を行なっている。そのため、一緒に事業を育てようとしてくれ、起業家にとっては力強い味方となるはずだ。

3 . 株式投資型クラウドファンディング

クラウドファンディングとは、群衆を意味する「Crowd(クラウド)」と資金調達を意味する「Funding(ファンディング)」とをかけ合わせた生まれた言葉。インターネットを利用して多くの人から出資を募る資金調達の方法だ。

クラウドファンディングとは、群衆を意味する「Crowd(クラウド)」と資金調達を意味する「Funding(ファンディング)」とをかけ合わせた生まれた言葉。インターネットを利用して多くの人から出資を募る資金調達の方法だ。クラウドファンディングには、さまざまな形態が存在する。その中でも、スタートアップに最近注目されているのは「株式投資型クラウドファンディング」である。

株式投資型クラウドファンディングとは、企業が未公開株を提供する代わりに資金を募る仕組みである。海外では株式投資型クラウドファンディングの認知がすでに高まっているが、日本は法律や協会の規制があり、サービスの運営がしばらくの間規制されていた。

しかし、2015年5月に金融商品取引法の一部が改正されたことによって、日本でも株式投資型クラウドファンディングが運営できる環境が整っている。2017年には国内初の株式投資型クラウドファンディングのサービスが始まった。この株式投資型クラウドファンディングのサービスには 日本初の株式投資型サービスFUNDINNO」や新株予約権に投資する「エメラダ・エクイティ」などがある。

今がスタートアップに挑戦すべきタイミング

資金調達が活発化している背景、重要性、事例、資金調達の方法などを解説してきた。資金調達は、企業が短期で急成長を目指すために非常に重要だ。事業戦略や組織戦略の上で成り立つ要素でもある。

今までスタートアップのトレンド領域を知らなかった方は、ぜひ一度資金調達データに目を通していただきたい。領域、企業、調達額などから注目の領域なども分析できるため、市場調査としても有効だ。

スタートアップ市場は盛り上がってきている。もしもスタートアップの起業を検討している場合は、まさに今が挑戦するタイミングといっても過言ではないだろう。迷っているなら、飛び込んでみていただきたい。

きっと、これまでは知らなかった事業を興す喜びを実感できるはずだ。日本のこれからを、スタートアップの力で盛り上げていこう。

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