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エネルギー分野におけるデータプラットフォーマー、ENECHANGEのIPOサマリー

「エネチェンジ」「SIMチェンジ」「エネチェンジBiz」などの運営を行うENECHANGE株式会社(以下、ENECHANGE)が東京証券取引所マザーズに上場承認された。承認日は2020年11月18日で、同年12月22日に上場を果たす。 ENECHANGEは「Changing Energy for a Better World ~エネルギーの未来をつくる~」というミッションを掲げ、プラットフォーム事業や電力データの統計・マイニングを主な事業内容としている。 2013年6月に英国ケンブリッジ市で設立されたCambridge Energy Data Lab Limitedから2015年4月にENECHANGEへ事業譲渡を実施。現在、子会社としてSMAP ENERGY LIMITEDを持ち、英国ケンブリッジ市においても事業展開を行っている。同社は創業からおよそ5年での上場となる。 本記事では、新規上場申請のための有価証券報告書Ⅰの部の情報をもとに、同社のこれまでの成長と今後の展望を紐解いていく。 売上高は堅実に推移、2020年9月期においては8,280万円の営業利益「エネチェンジ」「SIMチェンジ」「エネチェンジBiz」などの運営を行うENECHANGE株式会社(以下、ENECHANGE)が東京証券取引所マザーズに上場承認された。承認日は2020年11月18日で、同年12月22日に上場を果たす。

ENECHANGEは「CHANGING ENERGY FOR A BETTER WORLD ~エネルギーの未来をつくる~」というミッションを掲げ、プラットフォーム事業や電力データの統計・マイニングを主な事業内容としている。

2013年6月に英国ケンブリッジ市で設立されたCambridge Energy Data Lab Limitedから2015年4月にENECHANGEへ事業譲渡を実施。現在、子会社としてSMAP ENERGY LIMITEDを持ち、英国ケンブリッジ市においても事業展開を行っている。同社は創業からおよそ5年での上場となる。

本記事では、新規上場申請のための有価証券報告書Ⅰの部の情報をもとに、同社のこれまでの成長と今後の展望を紐解いていく。

売上高は堅実に推移、2020年9月期では8,280万円の営業利益

上図は過去3年間の売上高と営業利益の推移である。2019年12月期の売上高は2018年12月期から10%の増加である。2020年9月期においては売上高を12億5,217万円としており、2019年12月期の売上高を上回ることが見込まれていることから、着実な成長を遂げていることがわかる。 また、2019年12月期では一時的な営業損失を計上していたものの、2020年9月期時点において営業利益を8,280万円に黒字回復させた。 エネルギープラットフォーム事業とエネルギーデータ事業を展開 同グループは、自由化領域における電力・ガスなどの最適な選択をサポートするBtoC型ビジネス「エネルギープラットフォーム事業」と、デジタル化領域における電力・ガス会社向けのクラウド型DXサービス「エネルギーデータ事業」を展開している。 (1)エネルギープラットフォーム事業 家庭向け電力・ガス切替プラットフォーム「エネチェンジ」と法人向け電力・ガス切替プラットフォーム「エネチェンジBiz」のふたつのサービスを展開している。 ①エネチェンジ 家庭向けの電力・ガス特化型メディアと電力・ガス会社切替プラットフォーム。同社は2016年1月より本格的にサービスを開始し、2020年1月から10月までの平均で月間ユニークユーザー数が220万人を突破している。 ユーザーは、オンライン上で居住地域の郵便番号や世帯人数、在宅状況や電気の使用量などの情報を入力するだけで最適な電力・ガス会社の比較情報をランキング形式で得ることができる。また、診断と比較だけでなく、電力・ガス会社の切替手続きまでをオンライン上で一貫して行うことができる。 ②エネチェンジBiz 法人の電力・ガスユーザーを対象とした一括見積取得及び電力会社切替プラットフォーム。大手新電力を中心とした電力・ガス会社と提携し、法人ユーザーに対して無料で一括見積と申込手続きを代行するサービスを全国規模で提供している。同社は2016年6月より本格的にサービスを開始した。 法人ユーザーは過去12か月分の電気使用量を記載した明細書を提出するだけで、複数の電力・ガス会社からの新しい電気料金単価での見積提案の取得から電力会社の切替手続きまでのプロセスを一括して同社に委託できる。 (2)エネルギーデータ事業 電力・ガス自由化、スマートメーターのデータ解析、再生可能エネルギー発電所の運営効率化など、エネルギーの4D(注1)の進行に伴い必要となる新たなITシステムを、エネルギー事業者向けにクラウド型で提供している。現在は、3つのサービスを展開している。 ①EMAP エネルギー事業者向けのデジタルマーケティング支援サービス。「EMAP」は、電力・ガス切替プラットフォーム「エネチェンジ」で蓄積した知見・情報・技術資産を基にし、電力・ガス小売の現場へのデジタル化・効率化サービスをSaaS型で提供している。 ②SMAP エネルギー事業者向けのスマートメータデータ解析サービス。スマートメーターを経由して送られてくるユーザーの電力使用量(kWh:キロワットアワー)の30分値データを様々な観点で解析・予測するサービスをSaaS型で提供している。現在、大手新電力をはじめとした電力・ガス会社に顧客収益性改善などのサービス提供をしている。 ③JFE 電力データ解析技術を活用し、稼働中の再生可能エネルギー発電所の運営効率化やファンドの運営事務業務を行うサービス。2019年12月にLooop、大和エナジー・インフラと共同で海外特化型の脱炭素・エネルギーファンドJapan Energy Capital 1L.P.とファンドの運営会社としてJapan Energy Capitalを設立(2020年3月より本枠組みに北陸電力株式会社も加入)した。Japan Energy Capitalから独占的に業務を受託することで、「JEF」サービスを開始している。 注1:エネルギー革命の軸となる、自由化(Deregulation)、デジタル化 (Digitalization)、脱炭素化(Decarbonization)、分散化(Decentralization)の総称上図は過去3年間の売上高と営業利益の推移である。2019年12月期の売上高は2018年12月期から10%の増加である。2020年9月期においては売上高を12億5,217万円としており、2019年12月期の売上高を上回ることが見込まれていることから、着実な成長を遂げていることがわかる。

また、2019年12月期では一時的な営業損失を計上していたものの、2020年9月期時点において営業利益を8,280万円に黒字回復させた。

エネルギープラットフォーム事業とエネルギーデータ事業を展開

同グループは、自由化領域における電力・ガスなどの最適な選択をサポートするBtoC型ビジネス「エネルギープラットフォーム事業」と、デジタル化領域における電力・ガス会社向けのクラウド型DXサービス「エネルギーデータ事業」を展開している。 

(1)エネルギープラットフォーム事業
家庭向け電力・ガス切替プラットフォーム「エネチェンジ」と法人向け電力・ガス切替プラットフォーム「エネチェンジBiz」のふたつのサービスを展開している。①エネチェンジ
家庭向けの電力・ガス特化型メディアと電力・ガス会社切替プラットフォーム。同社は2016年1月より本格的にサービスを開始し、2020年1月から10月までの平均で月間ユニークユーザー数が220万人を突破している。
ユーザーは、オンライン上で居住地域の郵便番号や世帯人数、在宅状況や電気の使用量などの情報を入力するだけで最適な電力・ガス会社の比較情報をランキング形式で得ることができる。また、診断と比較だけでなく、電力・ガス会社の切替手続きまでをオンライン上で一貫して行うことができる。②エネチェンジBiz
法人の電力・ガスユーザーを対象とした一括見積取得及び電力会社切替プラットフォーム。大手新電力を中心とした電力・ガス会社と提携し、法人ユーザーに対して無料で一括見積と申込手続きを代行するサービスを全国規模で提供している。同社は2016年6月より本格的にサービスを開始した。
法人ユーザーは過去12か月分の電気使用量を記載した明細書を提出するだけで、複数の電力・ガス会社からの新しい電気料金単価での見積提案の取得から電力会社の切替手続きまでのプロセスを一括して同社に委託できる。
(2)エネルギーデータ事業
電力・ガス自由化、スマートメーターのデータ解析、再生可能エネルギー発電所の運営効率化などの新たなITシステムを、エネルギー事業者向けにクラウド型で提供している。現在は、3つのサービスを展開している。①EMAP
エネルギー事業者向けのデジタルマーケティング支援サービス。「EMAP」は、電力・ガス切替プラットフォーム「エネチェンジ」で蓄積した知見・情報・技術資産を基にし、電力・ガス小売の現場へのデジタル化・効率化サービスをSaaS型で提供している。②SMAP
エネルギー事業者向けのスマートメータデータ解析サービス。スマートメーターを経由して送られてくるユーザーの電力使用量(kWh:キロワットアワー)の30分値データを様々な観点で解析・予測するサービスをSaaS型で提供している。現在、大手新電力をはじめとした電力・ガス会社に顧客収益性改善などのサービス提供をしている。③JFE
電力データ解析技術を活用し、稼働中の再生可能エネルギー発電所の運営効率化やファンドの運営事務業務を行うサービス。2019年12月にLooop大和エナジー・インフラと共同で海外特化型の脱炭素・エネルギーファンドJapan Energy Capital 1L.P.とファンドの運営会社としてJapan Energy Capitalを設立(2020年3月より本枠組みに北陸電力株式会社も加入)した。Japan Energy Capitalから独占的に業務を受託することで、「JEF」サービスを開始している。

上図は過去3年間の売上高と営業利益の推移である。2019年12月期の売上高は2018年12月期から10%の増加である。2020年9月期においては売上高を12億5,217万円としており、2019年12月期の売上高を上回ることが見込まれていることから、着実な成長を遂げていることがわかる。 また、2019年12月期では一時的な営業損失を計上していたものの、2020年9月期時点において営業利益を8,280万円に黒字回復させた。 エネルギープラットフォーム事業とエネルギーデータ事業を展開 同グループは、自由化領域における電力・ガスなどの最適な選択をサポートするBtoC型ビジネス「エネルギープラットフォーム事業」と、デジタル化領域における電力・ガス会社向けのクラウド型DXサービス「エネルギーデータ事業」を展開している。 (1)エネルギープラットフォーム事業 家庭向け電力・ガス切替プラットフォーム「エネチェンジ」と法人向け電力・ガス切替プラットフォーム「エネチェンジBiz」のふたつのサービスを展開している。 ①エネチェンジ 家庭向けの電力・ガス特化型メディアと電力・ガス会社切替プラットフォーム。同社は2016年1月より本格的にサービスを開始し、2020年1月から10月までの平均で月間ユニークユーザー数が220万人を突破している。 ユーザーは、オンライン上で居住地域の郵便番号や世帯人数、在宅状況や電気の使用量などの情報を入力するだけで最適な電力・ガス会社の比較情報をランキング形式で得ることができる。また、診断と比較だけでなく、電力・ガス会社の切替手続きまでをオンライン上で一貫して行うことができる。 ②エネチェンジBiz 法人の電力・ガスユーザーを対象とした一括見積取得及び電力会社切替プラットフォーム。大手新電力を中心とした電力・ガス会社と提携し、法人ユーザーに対して無料で一括見積と申込手続きを代行するサービスを全国規模で提供している。同社は2016年6月より本格的にサービスを開始した。 法人ユーザーは過去12か月分の電気使用量を記載した明細書を提出するだけで、複数の電力・ガス会社からの新しい電気料金単価での見積提案の取得から電力会社の切替手続きまでのプロセスを一括して同社に委託できる。 (2)エネルギーデータ事業 電力・ガス自由化、スマートメーターのデータ解析、再生可能エネルギー発電所の運営効率化など、エネルギーの4D(注1)の進行に伴い必要となる新たなITシステムを、エネルギー事業者向けにクラウド型で提供している。現在は、3つのサービスを展開している。 ①EMAP エネルギー事業者向けのデジタルマーケティング支援サービス。「EMAP」は、電力・ガス切替プラットフォーム「エネチェンジ」で蓄積した知見・情報・技術資産を基にし、電力・ガス小売の現場へのデジタル化・効率化サービスをSaaS型で提供している。 ②SMAP エネルギー事業者向けのスマートメータデータ解析サービス。スマートメーターを経由して送られてくるユーザーの電力使用量(kWh:キロワットアワー)の30分値データを様々な観点で解析・予測するサービスをSaaS型で提供している。現在、大手新電力をはじめとした電力・ガス会社に顧客収益性改善などのサービス提供をしている。 ③JFE 電力データ解析技術を活用し、稼働中の再生可能エネルギー発電所の運営効率化やファンドの運営事務業務を行うサービス。2019年12月にLooop、大和エナジー・インフラと共同で海外特化型の脱炭素・エネルギーファンドJapan Energy Capital 1L.P.とファンドの運営会社としてJapan Energy Capitalを設立(2020年3月より本枠組みに北陸電力株式会社も加入)した。Japan Energy Capitalから独占的に業務を受託することで、「JEF」サービスを開始している。 注1:エネルギー革命の軸となる、自由化(Deregulation)、デジタル化 (Digitalization)、脱炭素化(Decarbonization)、分散化(Decentralization)の総称

セグメント別売上高では、エネルギープラットフォーム事業がやや多い割合を占める

セグメント別の売上高に注目すると、2020年9月期における全売上高に占める割合は、エネルギープラットフォーム事業が54.10%、エネルギーデータ事業が45.90%となっている。 「エネチェンジ」(家庭向け電力・ガス切替プラットフォーム)を主力とするエネルギープラットフォーム事業においては、同社およびパートナー企業経由での契約率の指標となる低圧スイッチング数(注2)が堅調に推移。また「エネチェンジBiz」(法人向け電力・ガス切替プラットフォーム)においては、パートナー企業の拡大に伴い、高圧スイッチング数が堅調に伸長。その結果、紹介料の獲得が安定的に推移し、売上高は677,438千円、セグメント利益は133,841千円となった。 エネルギーデータ事業である、デジタルマーケティング支援SaaS「EMAP」及び電力スマートメーターデータ解析SaaS「SMAP」においては、新規顧客の獲得や既存顧客への導入サービス数の増加により売上は堅調に推移。また、再生可能エネルギー発電所分析・運営管理サービス「JEF」が2019年12月より本格的に開始した。以上の結果、売上高は574,741千円、セグメント利益は201,599千円となった。 注2:スイッチングとは、電気の小売供給を行う小売電気事業者を他の小売電気事業者に切り替えること エネルギー関連総市場は、脱炭素社会の実現に向けて、今後も成長が見込まれる 日本のエネルギー業界は、東日本大震災による世界的なエネルギー業界の転換により、100年に1度ともいえる構造変革を迫られている。そこで同社は、日本も2050年の脱炭素社会の実現に向けて、「エネルギーの4D」を軸としたイノベーションを加速させ、新産業を創出していく必要があるとしている。 「エネルギーの4D」とは、Deregulation(自由化)、Digitalization(デジタル化)、Decarbonization(脱炭素化)、Decentralization(分散化)を指す。 日本の電力総需要の市場規模は、将来的には人口減少や省エネ機器の普及・性能の向上などの影響による減少要因はあるものの、オール電化の普及や電気自動車・プラグインハイブリッド自動車の普及によるエネルギー二次利用 (ガス・ガソリン産業)の電化などにより、2030年には現在より10%程増加することが見込まれている(注3)。従って、エネルギー関連総市場は、今後も成長が見込まれるものと予測している。 自由化というテーマについては、新電力の販売電力量は販売電力量全体の18.4%(注4)となっており、家庭向け、法人向けともに拡大している。主たる理由として、電力・ガス小売の全面自由化に伴い、全国的に電力自由化の知名度が高まったこと、政府主導による競争環境の整備が進んだことなどが挙げられる。 デジタル化というトレンドについては、スマートメーターの普及を背景として、電力・ガス会社が取得可能なデータ量が増加している状況にある。使用地点毎の電力使用量を30分おきに計測し、無線ネットワークを介して電力・ガス会社のシステムにデータを送るスマートメーターは、全国平均で84.8%(2020年3月末時点)の普及率となっており、2024年度末までには全国への普及が見込まれている(注5)。 脱炭素化・分散化については、2015年12月に開かれた気候変動枠組条約第21回締約国会議 (COP21)において採択された「パリ条約」を契機として、温室効果ガスの排出量を削減することを目的とした再生可能エネルギーの普及が世界各国で進んでいる。日本においても、菅義偉首相が「2050年までに、温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする、すなわち2050年カーボンニュートラル、脱炭素社会の実現を目指すこと」(注6)を宣言している。同社グループは、脱炭素化・分散化の国際トレンドを注視するとともに、そのような状況下において、電力データ分析技術の観点からの事業機会の検討を進めていく方針だ。 注3:IEA「World Energy Outlook」(2014発刊)。 注4:資源エネルギー庁「電力調査統計」(2020年7月分)。 注5:資源エネルギー庁「第27回電力・ガス基本政策小員会」資料3「電力・ガス小売全面自由化の進捗状況について」(2020年7月28日)。 注6:第二百三回国会における菅内閣総理大臣所信表明演説(2020年10月26日)より。 エネルギー分野に特化した分析力と幅広い顧客基盤が同社の強み 同グループはエネルギー分野に特化した技術開発力を基盤とするデータ分析力と、幅広い顧客基盤を有していることが強みであると認識している。 「エネルギープラットフォーム事業」においては、中立的な立場でサービス提供をすることが提携する電力・ガス会社数や取得可能なデータ量の拡大に繋がっていると考えており、 今後はオンラインのみならず、不動産仲介業者や金融機関などとのパートナーシップを拡大することで、オフラインでの集客力を強化しユーザー数の拡大に努める方針だ。 「エネルギーデータ事業」においては、今後電力・ガス会社間での競争がより激化し、顧客開拓から電力調達に至るまでのバリューチェーン全体におけるデータ活用に対するニーズがより一層高まると考えている。同グループはデジタルマーケティング支援や、電力データ解析サービスによる業務効率化支援を行うことで電力・ガス会社のデジタル化推進のサポートを通じた競争力強化により事業成長を目指す方針だ。

セグメント別の売上高に注目すると、2020年9月期における全売上高に占める割合は、エネルギープラットフォーム事業が54.10%、エネルギーデータ事業が45.90%となっている。

「エネチェンジ」(家庭向け電力・ガス切替プラットフォーム)を主力とするエネルギープラットフォーム事業においては、同社およびパートナー企業経由での契約率の指標となる低圧スイッチング数(注2)が堅調に推移。また「エネチェンジBiz」(法人向け電力・ガス切替プラットフォーム)においては、パートナー企業の拡大に伴い、高圧スイッチング数が堅調に伸長。その結果、紹介料の獲得が安定的に推移し、売上高は67,743万円、セグメント利益は13,384万円となった。

エネルギーデータ事業である、デジタルマーケティング支援SaaS「EMAP」及び電力スマートメーターデータ解析SaaS「SMAP」においては、新規顧客の獲得や既存顧客への導入サービス数の増加により売上は堅調に推移。また、再生可能エネルギー発電所分析・運営管理サービス「JEF」が2019年12月より本格的に開始した。以上の結果、売上高は57,474万円、セグメント利益は20,159万円となった。

注1:スイッチングとは、電気の小売供給を行う小売電気事業者を他の小売電気事業者に切り替えること

エネルギー関連総市場は、脱炭素社会の実現に向けて、今後も成長が見込まれる

「エネルギーの4D」とは、エネルギー革命の軸となる、Deregulation(自由化)、Digitalization(デジタル化)、Decarbonization(脱炭素化)、Decentralization(分散化)の総称である。日本のエネルギー業界は、東日本大震災による世界的なエネルギー業界の転換により、100年に1度ともいえる構造変革を迫られている。日本も2050年の脱炭素社会の実現に向けて、「エネルギーの4D」を軸としたイノベーションを加速させ、新産業を創出していく必要があると同社は捉えている。

日本の電力総需要の市場規模は、将来的には人口減少や省エネ機器の普及・性能の向上などの影響による減少要因はあるものの、オール電化の普及や電気自動車・プラグインハイブリッド自動車の普及によるエネルギー二次利用 (ガス・ガソリン産業)の電化などにより、2030年には現在より10%程増加することが見込まれている(注3)。従って、エネルギー関連総市場は、今後も成長が見込まれるものと予測している。

自由化というテーマでは、新電力の販売電力量は販売電力量全体の18.4%(注4)となっており、家庭向け、法人向けともに拡大している。主たる理由として、電力・ガス小売の全面自由化に伴い、全国的に電力自由化の知名度が高まったこと、政府主導による競争環境の整備が進んだことなどが挙げられる。

デジタル化というトレンドについては、スマートメーターの普及を背景として、電力・ガス会社が取得可能なデータ量が増加している状況にある。使用地点毎の電力使用量を30分おきに計測し、無線ネットワークを介して電力・ガス会社のシステムにデータを送るスマートメーターは、全国平均で84.8%(2020年3月末時点)の普及率となっており、2024年度末までには全国への普及が見込まれている(注5)。

脱炭素化・分散化については、2015年12月に開かれた気候変動枠組条約第21回締約国会議 (COP21)において採択された「パリ条約」を契機として、温室効果ガスの排出量を削減することを目的とした再生可能エネルギーの普及が世界各国で進んでいる。日本においても、菅義偉首相が「2050年までに、温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする、すなわち2050年カーボンニュートラル、脱炭素社会の実現を目指すこと」(注6)を宣言している。同社グループは、脱炭素化・分散化の国際トレンドを注視するとともに、そのような状況下において、電力データ分析技術の観点からの事業機会の検討を進めていく方針だ。 

注2:IEA「World Energy Outlook」(2014発刊)
注3:資源エネルギー庁「電力調査統計」(2020年7月分)
注4:資源エネルギー庁「第27回電力・ガス基本政策小員会」資料3「電力・ガス小売全面自由化の進捗状況について」(2020年7月28日)
注5:第二百三回国会における菅内閣総理大臣所信表明演説(2020年10月26日)より

エネルギー分野に特化した分析力と幅広い顧客基盤が同社の強み

同グループはエネルギー分野に特化した技術開発力を基盤とするデータ分析力と、幅広い顧客基盤を有していることが強みであると認識している。

「エネルギープラットフォーム事業」においては、中立的な立場でサービス提供をすることが提携する電力・ガス会社数や取得可能なデータ量の拡大に繋がっていると考えており、今後はオンラインのみならず、不動産仲介業者や金融機関などとのパートナーシップを拡大することで、オフラインでの集客力を強化しユーザー数の拡大に努める方針だ。

「エネルギーデータ事業」においては、今後電力・ガス会社間での競争がより激化し、顧客開拓から電力調達に至るまでのバリューチェーン全体におけるデータ活用に対するニーズがより一層高まると考えている。同グループはデジタルマーケティング支援や、電力データ解析サービスによる業務効率化支援を行うことで電力・ガス会社のデジタル化推進のサポートを通じた競争力強化により事業成長を目指す方針だ。

同グループは、長期においてはフリーキャッシュ・フローの最大化による企業価値の向上、中期においてはフリーキャッシュ・フローの源泉となる売上高の成長が重要であると考えており、売上高を重要な経営指標としている。 売上高を「顧客数」×「ARPU(注7)」と定義し、2事業それぞれで高い売上高成長率とともに安定した経営基盤を構築するために、ストック型の収益を重視する事業展開で積極的な成長投資による「顧客数の最大化」と「継続的なサービスラインナップの拡充による顧客提供価値の増大によるARPUの向上」 を目指している。 注7:Average Revenue Per Userの略称で、1ユーザー当たりの平均収益を意味する

同グループは、長期においてはフリーキャッシュ・フローの最大化による企業価値の向上、中期においてはフリーキャッシュ・フローの源泉となる売上高の成長が重要であると考えており、売上高を重要な経営指標としている。

売上高を「顧客数」×「ARPU(注7)」と定義し、2事業それぞれで高い売上高成長率とともに安定した経営基盤を構築するために、ストック型の収益を重視する事業展開で積極的な成長投資による「顧客数の最大化」と「継続的なサービスラインナップの拡充による顧客提供価値の増大によるARPUの向上」 を目指している。

注6:Average Revenue Per Userの略称で、1ユーザー当たりの平均収益を意味する

上図は、同社のARR(注8)の推移である。同グループはストック型の収益を重視する事業展開を行っていることからARRを重視している。 ARRの主な構成要素は、「エネルギープラットフォーム事業」においては、提携電力・ガス会社より収受する、家庭・法人ユーザーの電力会社切替以降継続的に発生するストック型の切替報酬。「エネルギーデータ事業」においては、月額のソフトウエアライセンス料(保守運用費を含む)となっている。 ストック型の収益を重視する事業展開により、累計切替件数、並びに累計顧客数の双方が伸長した結果、ARRは2017年12月期から2019年12月期にかけて、91%の年平均成長率記録し、2020年9月期にはARRが6億6,100万円に到達した。 注8:Annual Recurring Revenueの略称で、企業の営業活動によって毎期、経常的・反復的に生じるストック型収益を意味する 既存事業の規模の拡大と収益源の多様化によりグローバル展開を加速させる 同グループは取り組むべき課題として以下の4つを挙げている。 ①ストック型収益基盤の強化 ②エンジニア主体によるプロダクト開発の強化 ③分散化領域における新規事業立ち上げ ④グローバル展開の加速 今後、持続的な成長を維持するためにはストック型収益基盤により一層の強化が必要であると考えている。企業価値を向上させ高い成長を実現していくために、既存事業の規模の拡大と収益源の多様化に加えて積極的な新規事業の発掘と育成が課題である。 また、同社の前身であるCambridge Energy Data Lab Limited設立時より、日本を含む世界のエネルギー市場でのサービス展開を視野に入れている。今後も「Changing Energy for a Better World ~エネルギ ーの未来をつくる~」というミッションの実現に向けて、エネルギーの4D領域における本格的なグローバル展開を加速させる方針だ。

上図は、同社のARR(注8)の推移である。同グループはストック型の収益を重視する事業展開を行っていることからARRを重視している。

ARRの主な構成要素は、「エネルギープラットフォーム事業」においては、提携電力・ガス会社より収受する、家庭・法人ユーザーの電力会社切替以降継続的に発生するストック型の切替報酬。「エネルギーデータ事業」においては、月額のソフトウエアライセンス料(保守運用費を含む)となっている。 

ストック型の収益を重視する事業展開により、累計切替件数、並びに累計顧客数の双方が伸長した結果、ARRは2017年12月期から2019年12月期にかけて、91%の年平均成長率記録し、2020年9月期にはARRが6億6,100万円に到達した。

注7:Annual Recurring Revenueの略称で、企業の営業活動によって毎期、経常的・反復的に生じるストック型収益を意味する

既存事業の規模の拡大と収益源の多様化によりグローバル展開を加速させる

同グループは取り組むべき課題として以下の4つを挙げている。

①ストック型収益基盤の強化
②エンジニア主体によるプロダクト開発の強化
③分散化領域における新規事業立ち上げ
④グローバル展開の加速

今後、持続的な成長を維持するためにはストック型収益基盤により一層の強化が必要であると考えている。企業価値を向上させ高い成長を実現していくために、既存事業の規模の拡大と収益源の多様化に加えて積極的な新規事業の発掘と育成が課題である。

また、同社の前身であるCambridge Energy Data Lab Limited設立時より、日本を含む世界のエネルギー市場でのサービス展開を視野に入れている。今後も「Changing Energy for a Better World ~エネルギ ーの未来をつくる~」というミッションの実現に向けて、エネルギーの4D領域における本格的なグローバル展開を加速させる方針だ。

VC・事業会社を中心に、累計25億8,040万円の資金調達を実施

これまで13回の資金調達を実施し、累計で25億8,040万円を調達していることがわかる。 2018年10月14日には、昭和シェル石油、住友商事、大和証券グループ本社、東京ガス、北陸電力、Looop、SK GASが業務提携を目的として総額約7億円を出資し資本参加に至った。この提携を受けて、7社が有する経験や顧客基盤を融合することにより、世界の”エネルギー革命”をリードするような取り組みを進めていくとしていた。 そのほか出資元には、B Dash Ventures、エプコ、日立製作所、Bonds Investment Group、Spiral Ventures、みずほキャピタル、りそなキャピタル、ベンチャーラボインベストメント、池田泉州キャピタルなど複数の事業会社とベンチャーキャピタルからの出資を受けている。 想定時価総額と上場時主要株主 上場日は2020年12月22日を予定しており、上場する市場は東証マザーズとしている。 今回の想定価格は、520円である。調達金額(吸収金額)は2.3億円(想定発行価格:520円×OA含む公募・売出し株式数:437,000株)、想定時価総額は、29.9億円(想定発行価格:520円×上場時発行済株式総数:5,750,000株)となっている。

これまで13回の資金調達を実施し、累計で25億8,040万円を調達していることがわかる。

2018年10月14日には、昭和シェル石油住友商事大和証券グループ本社東京ガス北陸電力LooopSK GASが業務提携を目的として総額約7億円を出資し資本参加に至った。この提携を受けて、7社が有する経験や顧客基盤を融合することにより、世界の”エネルギー革命”をリードするような取り組みを進めていくとしていた。

そのほか出資元には、B Dash Venturesエプコ日立製作所Bonds Investment GroupSpiral Venturesみずほキャピタルりそなキャピタルベンチャーラボインベストメント池田泉州キャピタルなど複数の事業会社とベンチャーキャピタルからの出資を受けている。

想定時価総額と上場時主要株主

上場日は2020年12月22日を予定しており、上場する市場は東証マザーズとしている。

今回の想定価格は、520円である。調達金額(吸収金額)は2.3億円(想定発行価格:520円×OA含む公募・売出し株式数:437,000株)、想定時価総額は、29.9億円(想定発行価格:520円×上場時発行済株式総数:5,750,000株)となっている。

公開価格:600円
初値:2,400円(公募価格比+1800円 +300%)
時価総額初値:138億円

※追記:2020年12月23日(上場日)

筆頭株主は、代表取締役CEOの城口洋平氏であり、23.86%を保有する。次いで、代表取締役COOの有田一平氏が10.08%、植野泰幸税理士事務所を運営する植野泰幸氏が8.00%を保有する。 B Dash Fund2号投資事業有限責任組合を運営するB Dash Venturesは”次世代を担う有力インターネット企業の輩出”を目的に、国内外の有望なスタートアップや有力ベンチャー企業に投資を行うベンチャーキャピタルだ。これまでに、Gunosy、gumi、C Channel、サイバーセキュリティクラウドなどの投資実績を有する。 そのほか、Energy Station Company Limited、大和証券グループ本社、BIG1号投資事業有限責任組合を運営するBonds Investment Group、エプコ、大和エナジー・インフラ、Spiral Capital Japan Fund 1号投資事業有限責任組合を運営するSpiral Capitalなどの事業会社、ベンチャーキャピタルが大株主として参画している。 ※本記事のグラフ、表は新規上場申請のための有価証券報告書Ⅰの部を参考

筆頭株主は、代表取締役CEOの城口洋平氏であり、23.86%を保有する。次いで、代表取締役COOの有田一平氏が10.08%、植野泰幸税理士事務所を運営する植野泰幸氏が8.00%を保有する。

B Dash Fund2号投資事業有限責任組合を運営するB Dash Venturesは”次世代を担う有力インターネット企業の輩出”を目的に、国内外の有望なスタートアップや有力ベンチャー企業に投資を行うベンチャーキャピタルだ。これまでに、GunosygumiC Channelサイバーセキュリティクラウドなどの投資実績を有する。

そのほか、Energy Station Company Limited大和証券グループ本社、BIG1号投資事業有限責任組合を運営するBonds Investment Groupエプコ大和エナジー・インフラ、Spiral Capital Japan Fund 1号投資事業有限責任組合を運営するSpiral Capitalなどの事業会社、ベンチャーキャピタルが大株主として参画している。

※本記事のグラフ、表は新規上場申請のための有価証券報告書Ⅰの部を参考

 

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