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時価総額3兆円のダークホース「China Internet Plus Holdings」とは

時価総額3兆円のダークホース「China Internet Plus Holdings」とは

時価総額約3兆円のeコマース企業をご存知だろうか。「China Internet Plus Holdings」 (以下、美団点評)だ。中国国内以外では知名度が低いが、2017年度10大ユニコーンランキングにおいて中国国内で5位全世界では4位を獲得したことで中国国外でもようやく注目されはじめたユニコーンだ。

では、一体「美団点評」はどのような企業なのか。

はじまりは中国2大サービスの合併

同社はAlibabaの傘下である中国最大のクーポン共同購入サイト「美団」とTencentの傘下の中国最大の口コミサイト「点評」が合併し、2015年に設立。 本社は中国・北京に位置する。

代表は、清華大学電子工学科卒業後、デラウェア大学に留学し、人気SNS「人人網」「海内網」やマイクロブログサービス「飯否網」を創立した王興氏が務める。
2016年9月より事業のグローバル展開をはじめ、2017年3月には国外初の拠点を日本とタイに設立。現在日本支社は「XIGUA」として商業施設及び店舗への送客事業やタイアップ記事などの広告事業を手がける。

2016年にTencentと Trust Bridge Partners をリードとして、約3500億円の資金調達を実施。2017年11月には、人気チャットサービス「WeChat」などを運営するTencentを引受先とし約4000億円を資金調達した

美団点評のビジネスモデル

美団点評のビジネスモデル

同社は「We Help People Eat Better, Live Better(人々により充実した食事と人生を提供する)」というミッションのもと、主にO2Oプラットフォーム「美団.com」を運営。

フードデリバリーや映画、美容院、習い事の予約まですべてサイト内で済ますことができる。他で例えると「Yelp」や「Uber Eats」、「TripAdvisor」、「Groupon」が全て1つで完結できるサービスだ。2017年には同サイトの登録ユーザー数が6億人を突破し、中国の日常生活において欠かせない存在となっている。

同プラットフォームは中国旅行者に人気を集めている。航空券の予約やホテル予約ができ、旅行中も位置情報に応じてクーポンやおすすめのショップやレストランを知らせてくれる。訪日中国観光客のうち約半数(45%)が「美団.com」を使用しており、日本でも積極的に自店舗を同サービスに登録する動きが広まりつつある。

ユーザー数6億人のプラットフォームにまで成長できた理由

ユーザー数6億人のプラットフォームにまで成長できた理由

美団点評はなぜここまで成長できたのか。それは同社の代表である王興氏のビジネスや競争に対する考えにある。

多くの中国インターネット企業はバーティカルマーケット(*1)に着目し、狭い領域で業界のトレンドを取り入れながら事業を展開する。

そのような環境の中、同社は明確にサービスの領域を定めず、ホリゾンタルマーケット (*2)  で勝負している。複数のビジネスを経営できるか、という判断は他人に任せず自分たちで決定し、多様なサービスを展開中。ライバル企業との競争・市場独占の終息も望んでおらず、競争を受け入れることがこれからの常識になると予想している。

また、「技術変化の初期段階においてはリスクが大きいため小規模なチームで活動したほうが安全である。しかし時間の経過とともに株主への配当が減少し、収入が増加するため、最終的に1つのサービスに特化したビジネスよりマルチサービスが有利になる」と代表は述べる。

15年前の中国においてアリババが運営していたオンラインショッピングモール「淘宝(タオバオ)」が1つのサービスに特化するのではなくマルチサービスを提供するプラットフォームになるという決断も同社に大きな影響を与えたそうだ。王興氏は、「私たちも1つの事業だけにフォーカスを当てていたら、勝てない」と語っている。

さらに、人口が多く、新興の中流階級がいる中国のような国だからこそ、美団のようなO2Oプラットフォームが成り立つと同社のシニアVPはいう。

*1:一定の分野に特化したニッチ市場
*2:サービスが幅広い分野において顧客のニーズを満たす市場

ヒートアップする中国O2Oサービス界

美団点評には最大の競合がいる。大手ライドシェアサービス「滴滴出行(DidiChuxing)」だ。

滴滴出行は2016年にウーバー・チャイナを買収し、これまでライドシェア界をほぼ独占していた。そんな中、美団点評は今年3月に独自配車サービス「美団打車(Meituan Dache)」を立ち上げ、滴滴出行の独占状態に歯止めをかけた。現在中国の7都市で展開中で、上海では初日のみで15万回の利用数を突破

今年4月には滴滴出行とSoftbankが株主になることを狙っていたサイクリングシェア大手の「Mobike」を美団点評が買収。今後両社は、健康的なライフスタイルを推進するという共通ビジョンのもと、よりよいユーザー体験を提供していく。

今後の戦略

1つのサービスに特化することなく中国でのマーケットを押さえ、幅広いジャンルにおいてeコマース事業を展開したことで急成長を成し遂げた美団点評。

代表の王興氏は美団点評を今後、持続性が高く辛抱強い、常に成長をする企業にしたいと語る

また、2017年度レポートではこのように述べている。

「2017年は美団点評にとって素晴らしい年だった。現在eコマースサービスにおける明確な先駆者だと自信を持って言うことができる。
私たちはモバイルアプリケーションを通じたひとつのプラットフォームのもと、一日を通じて顧客の食事やライフスタイルを支援する新世代のエコシステムを構築した。これは前年比で大幅に増加したビジネスメトリクスにおいて顕著である。
私たちは中国におけるリーダーとしてのポジションを保ちながら、引き続き海外市場での機会を探し、中国で成功したビジネスモデルを世界にも展開していきたい」

2018年4月には年度内の香港IPOに向けた協議を開始し、政策面での許可が下りれば中国国内での上場も検討中。時価総額を約6兆円にまで引き上げる方針だ。現在はAI技術とドローンを活用した新たなデリバリーサービスを開発中で、中国観光客が多く訪れるタイや日本での海外展開を引き続き強化する予定。

中国をリードするユニコーン企業として海外からも期待が寄せられる美団点評から今後も目が離せない。

 

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