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ブロックチェーンを用いた世界の有力プロジェクト5選

ブロックチェーンを用いた世界の有力プロジェクト5選

日本だけでなく世界中で大きな話題を呼んでいるビットコイン。昨年2017年1月から12月までの1年間でビットコインの価値は約20倍にまで高騰した。そんなビットコインを支える基盤技術である「ブロックチェーン」は金融をはじめとして、行政、医療、IoT、広告、エンターテイメントなどさまざまな業界を大きく変えはじめている。全世界に大きな期待と衝撃を与えたブロックチェーンを、多くの企業や起業家たちが事業化に向けて動き出している。

「ブロックチェーン」とは

ブロックチェーン技術とは、ネットワーク内で発生した取引履歴をネットワークに参加しているコンピューターに分散して保存する技術のことだ。取引履歴をチェーン状に繋げることによって、信頼性を担保しながらデータを変更・改ざんすることが不可能になる。

従来のクライアントサーバーシステム(*1)の場合、特定のサーバーが情報を管理している為、サーバーダウンや情報流出などの問題がたびたび起きている。
ブロックチェーン技術のネットワークモデルであるP2P(*2)は銀行のような特定の中央集権的な管理機関がないため、権限が一箇所に集中することがない。また、システムが永久的にダウンしないことも特徴。これにより高いセキュリティが保たれるのだ。

「ブロックチェーン」とは クライアントサーバーシステム P2P

各業界でのブロックチェーンの実用化に向けた取り組みをいくつか紹介していこう。

*1:情報資源を集中的に管理するサーバーと、それを利用するクライアントから構成されるネットワークモデル
*2 : ユーザーのコンピューターに取引履歴が保存され、ユーザー同士で監視・管理しあう自律分散型のネットワークモデル

金融×ブロックチェーン

Melonport AG 金融×ブロックチェーン

ブロックチェーンは金融システムのインフラとして、金融取引のコストを劇的に削減し、明瞭化できる可能性があると期待されている。通常の銀行では、台帳や個人情報、資産情報は銀行内で管理されている。つまり、ハッキングや内部での不正が行われた場合、個人情報が盗まれ、資産を失うリスクが常に伴う。

しかし、ブロックチェーンを用いれば、前述のリスクを限りなくゼロにすることができる。また、ブロックチェーンはユーザーが銀行などを経由することなく、すぐに金銭の授受を完了することができる。なぜなら銀行やカード会社のような第三者の信用を借りずに信頼できる取引が可能となるからだ。

そんな中、アセットマネジメントで注目されている企業を紹介しよう。

Melonport AG(スイス)
わずか26歳でゴールドマンサックスの株式トレード部門でバイスプレジデントを務めた経歴を持つMona El Isaによって設立された。同社は2016年、ICOにより目標調達資金の2.5億円をわずか8分で達成し大きな話題を呼んだ。「Melonport AG」はブロックチェーン上でデジタル資産の管理・ファンドの分散化を実現するメロンプロトコルを提供。既存のファンドでは、非常に多くの仲介者が必要となるため、すべての段階で非効率発生、高いランニングコスト、および運用リスクが伴う。しかし、ブロックチェーンを使用することにより、持ち逃げや不正などの潜在的なリスクからユーザーを守ることができる。加えて、多くの仲介者を省き、高い透明性・高いセキュリティを低コストで提供することが可能だ。
Melonport AGを活用すれば、誰でも自身がファンドマネージャーとなりポートフォリオを作成・管理することができる。また、運用成績も透明化され、ランキングが出ることにより上位のファンドに投資することが可能。

予測市場×ブロックチェーン

GNOSIS PM 予測市場×ブロックチェーン

あまり馴染みのない言葉だが予測市場とは、イメージとしてはギャンブルとアンケートを組み合わせたようなものだ。例えば「次期アメリカ大統領は女性か、男性か?」など、ある未来を予測するお題に対して、ユーザーはどちらかに賭ける。予想が当たればユーザーが配当金を得る、外せば損をする。

また、見方を変えると「群衆の英知」を集約化する方法でもある。「群衆の英知」とは群衆の規模が大きいほど、より正確な値が導きだせるという理論だ。通常のアンケートとは異なりお金が絡んでくるためユーザーは真剣に回答する。そのため精度の高いデータを集めることが可能となる。ブロックチェーンを用いることにより契約内容とその執行条件を事前にプログラミングしてブロックチェーン上に乗せることで、執行条件が達成されたときに、人の手を介さず、かつ誰からも改ざんされない形で契約内容が自動で執行されるようになる。また、これまで組織が重要な決定を下す際には、限られた権力保持者が意思決定を行ってきた。しかし、予測市場を用いることで世界中の人々が意思決定を行い、分散化された隔たりのないデータを集めることができる。結果、平等かつ公平な決定を下すことが可能になる。

この予測市場に特化し、海外で注目されているスタートアップを紹介しよう。

GNOSIS PM(ドイツ)
GNOSIS PMは分散型予測市場プラットフォームを提供している。誰でも多種多様なイベントの結果を予測できるプラットフォーム「Gnosis Olympia」を運営。Gnosisが変革を起こそうとしている業界の一つに保険業界がある。例えば、「この建物は天災の被害を受けるのか?」という予測市場が立ち上がった場合、ユーザーはYES/NOどちらかに賭けをする。集まった投票結果を用いて、Gnosis上でスマートコントラクト(*3)を用いて保険料を計算・決定する。また、ブロックチェーン上に保険情報に関するデータベースも構築されていく。保険会社の仲介を省くプロセスは、従来の保険金のコストを大幅に削減する可能性を秘めている。

*3:ブロックチェーン上で取引情報をプログラム化し、あらゆる契約行動を自動的に執行すること。

エネルギー×ブロックチェーン

Grid+ エネルギー×ブロックチェーン

近年、世界的に石炭・石油などの化石燃料から太陽光やバイオなどの再生可能エネルギーを導入・移行する国が増加してきている。また、蓄電池や自宅で行うソーラーパネル発電はすでに一般市民にも浸透し始めている。

ブロックチェーンの特性を活かすことにより、既存の発電・送電・電力の小売りのシステムを大きく変えることができるのではないかと期待されている。
アメリカでは、遠距離送電によって電力の約38%は損失するというデータもある。
この問題を解決するために、太陽光発電を持つ家庭が地域内で電力会社を通さずにP2Pで自由に電力取引を行えるサービスも出てきた。また、日本でも関西電力がブロックチェーンを使用した太陽光発電による余剰電力で行うP2P取引の実証実験を開始した。加えて、みんな電力株式会社は、株式会社Aerial Lab Industriesと共同で、ブロックチェーン技術を活用したP2P電力取引プラットフォームの開発を始めている。

電力をP2Pで売買するサービスとして期待されているアメリカの企業を紹介しよう。

Grid+(アメリカ)
Grid+はユーザーがエネルギー市場に直接アクセスできるようにすることを目的とした、分散型電力供給プロバイダー&マーケットを提供。ユーザーは、それぞれの家庭のソーラーパネルで発電し、余った電力をスマートバッテリーに蓄積。ブロックチェーンを用いることで中央集権的な第三者を介さず、ユーザーにとって最も都合のよいときに自動でエネルギーを購入または販売することができる。2018年6月にアメリカのテキサス州で電力事業者としての登録が承認された。

ID認証×ブロックチェーン

uPort ID2020 ID認証×ブロックチェーン

数字やアルファベットを組み合わせたパスワードによるID認証は、オンラインでの身分証明の手段として定着している。しかし、パスワードや個人情報の流出や悪意ある第三者によるハッキング事件が後を絶たない。

そこでブロックチェーンを使おうとする試みが始まっている。ブロックチェーンの信用により、国や第三者機関の信用を借りずに身分証明を行える事が期待されている。分散型IDでは個人情報のデータをサーバーで管理するのではなく、ブロックチェーン上に分散させて保持するため、改ざんやシステムのダウンのリスクを防ぐ事ができる。 

ブロックチェーンを用いたID認証技術に取り組んでいるプロジェクトと企業を紹介しよう。

ID2020 (国際連合)
ID2020はテクノロジーを駆使し、2020年までに世界中のすべての人々がアクセス可能なデジタルIDの発行を目指している国連支援プロジェクトの一つだ。主なターゲットは身分を証明する文書や手段を持たない人や難民である。米アクセンチュアと米マイクロソフトが連携して開発したのが指紋や虹彩などの生体認証情報とブロックチェーン技術を組み合わせた個人認証システムだ。
uPort(アメリカ)
uPortはサービス利用時における身分証明や個人情報の登録をより安全かつより簡単に行えるようにするためのプラットフォームだ。例えば複数のECサイトを利用する際、住所やクレジットカードの番号など繰り返し入力する必要があり、情報漏えいなどのリスクが常に伴う。しかし、ブロックチェーンで管理することにより、あらゆるサービスを利用するときスマホなどのデバイスでuPortを介して利用すれば簡単に身分証明や個人情報の登録ができる。最終的には医療情報や、自動車免許、住民票などにも取り組んでいく方針だ。

ブロックチェーンがつくる未来

このように、ビットコインの一部として誕生したブロックチェーンが各業界に革命を起こそうとしているのがご理解頂けただろうか。2009年にビットコインが誕生してから9年。歴史が非常に浅く、世界各国の規制がまだ整備されていないのが現状だ。

しかし、経済産業省がまとめた「ブロックチェーン」の調査報告書によるとブロックチェーンは流通管理や土地の登記などへの応用が期待されており、潜在的な国内市場規模は67兆円になると発表。

また、日本政府は積極的にブロックチェーンを活用し行政のコスト削減やサイバー攻撃を受けにくい体制をつくると発表している。他にも日本企業の40%以上が既に何らかのブロックチェーンを使った取り組みを開始しているという調査結果がでている。

ブロックチェーンが日常生活で当たり前に使われるのは時間の問題だろう。

 

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