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2018/9/6にマザーズ上場したand factoryのIPO分析

また新たなスタートアップ企業が東証マザーズへの上場を遂げた。and factory株式会社(以下、and factory)である。「日常に&を届ける」ことをミッションとして掲げ、Smartphone Idea Companyと自らを称し、多様なビジネスに挑戦してきた。そしてわずか設立4年で上場を達成した同社の事業や財務状況に迫る。

また新たなスタートアップ企業が東証マザーズへの上場を遂げた。and factory株式会社(以下、and factory)である。「日常に&を届ける」ことをミッションとして掲げ、Smartphone Idea Companyと自らを称し、多様なビジネスに挑戦してきた。そしてわずか設立4年で上場を達成した同社の事業や財務状況に迫る。

APP、IoTの2事業展開

and factoryはAPP事業とIoT事業の2つを柱としており、現在5つの分野でサービスを展開している。

-APP事業-
APP事業は「最強シリーズ」などのゲーム攻略アプリとマンガアプリで構成されている。ゲーム攻略アプリの「最強シリーズ」では、人気のスマートフォンゲームの攻略情報や掲示板などを提供している。主な収益は運営アプリからの広告収益である。スクウェア・エニックスと共同開発した「マンガUP!」も同社の代表的サービスである。マンガアプリの場合は収益源は広告に加え、ユーザーの課金も含まれている。

APP事業は「最強シリーズ」などのゲーム攻略アプリとマンガアプリで構成されている。ゲーム攻略アプリの「最強シリーズ」では、人気のスマートフォンゲームの攻略情報や掲示板などを提供している。主な収益は運営アプリからの広告収益である。スクウェア・エニックスと共同開発した「マンガUP!」も同社の代表的サービスである。マンガアプリの場合は収益源は広告に加え、ユーザーの課金も含まれている。

-IoT事業-
IoT事業では3つのサービスが展開されており、スマートホステル「&AND HOSTEL」、宿泊施設向けIoTサービス、宿泊領域以外のIoTサービスで構成されている。

「&AND HOSTEL」では5つのホステルを開設しており、コンサルティングや不動産仲介などの対価として収益を得ている。さらに2018年12月31日までに、新たに4店舗を開設する予定だ。

宿泊施設向けサービスでは、「innto」と「tabii」を提供している。「innto」は簡易宿所向けの宿泊管理システムであり、客室に関する情報の一元管理を可能にしている。さらに「tabii」は客室備え付けのタブレットを通じて、館内案内や周辺情報の提供などを行っている。これにより、宿泊者は簡単に情報を手に入れることができ、施設は顧客サービスの改善やフロント業務効率化によるコスト削減が見込まれる。「tabii」はランニングコストを広告掲載料からまかなっており、サービス導入の障壁を低くしているのも一つの特徴である。

同社IoT事業の収益源は導入費と広告掲載料となっている。

and factoryは「Smartphone Idea Company」を掲げていることからも、同社がスマートフォンなどの機器を中心とした多様なサービスを展開していることがわかる。次は同社の財務状況などを見てみる。

and factoryは「Smartphone Idea Company」を掲げていることからも、同社がスマートフォンなどの機器を中心とした多様なサービスを展開していることがわかる。次は同社の財務状況などを見てみる。

財務状況サマリー

上図は、同社の創業からこれまでの売上高と経常利益の推移である。4年で上場を果たすだけあり、売上高、経常利益ともに毎期大きく成長してきたことがわかる。今年度は第3四半期(2018年5月)時点で、10億円以上の売上高を記録しており、大幅な成長が続いている。

上図は、同社の創業からこれまでの売上高と経常利益の推移である。4年で上場を果たすだけあり、売上高、経常利益ともに毎期大きく成長してきたことがわかる。今年度は第3四半期(2018年5月)時点で、10億円以上の売上高を記録しており、大幅な成長が続いている。

続いてセグメント別の売上高に目を移す。第3期の売上高をセグメント別で見てみると、9割近くがAPP事業によってあげられていることがわかる。スクウェア・エニックスと共同開発したマンガアプリ「マンガUP!」の積極的な広告宣伝の実施や配信しているマンガタイトル数の増加によるものと同社はしている。第4期(第3四半期まで)においてもAPP事業の売上高は堅調に増加、またIoT事業の売上高は240,094千円まで急増しており、APP事業だけに依存しているというわけではなさそうだ。

続いてセグメント別の売上高に目を移す。第3期の売上高をセグメント別で見てみると、9割近くがAPP事業によってあげられていることがわかる。スクウェア・エニックスと共同開発したマンガアプリ「マンガUP!」の積極的な広告宣伝の実施や配信しているマンガタイトル数の増加によるものと同社はしている。第4期(第3四半期まで)においてもAPP事業の売上高は堅調に増加、またIoT事業の売上高は240,094千円まで急増しており、APP事業だけに依存しているというわけではなさそうだ。

続いて、主要な財務指標を見てみよう。

続いて、主要な財務指標を見てみよう。

安全性
企業の安全性を示す指標として、今回は流動比率と自己資本比率を用いた。
流動比率(=流動資産/流動負債)は184%であり申し分ない数字であるが、一方で自己資本比率(=自己資本/総資本)は32%と他人資本の比率が比較的高いことを示している。

収益性
ROEは164.73%と非常に高い値となっている(マザーズ非製造企業の平均は15.9%)。
デュポンの公式に分解をしてみると、

ROE = 財務レバレッジ × 総資本回転率 × 売上高当期純利益率
          = 5.62 倍 × 1.16 回 × 25.3 %
          = 164.73 %

こうして見ると財務レバレッジと売上高当期純利益率が、高ROEの要因となっていることがわかる。高い利益率は会社の事業と関連があると考えられるとともに、借入金などの負債をうまく活用して昨年度大きく躍進を遂げたことがうかがえる。また今回の上場に伴い財務の安全面も改善が見込まれる。

・効率性(総資本回転率、労働生産性)
総資本回転率は1.16回とそこまで高い数字は示していないが、44名の従業員数で2億円以上の営業利益をあげている点は注目すべきだろう。

キャッシュフロー

キャッシュフロー計算書を見てみると、本業にてしっかりと稼ぎながら、さらなる成長に向けた投資を積極的に行っていることがわかる。また財務活動によるキャッシュフローが大幅なプラスになっており、借入金を大幅に増やしたことがわかる。事実、160,000千円の大規模な長期借入れを行ったことが発表されている。

キャッシュフロー計算書を見てみると、本業にてしっかりと稼ぎながら、さらなる成長に向けた投資を積極的に行っていることがわかる。また財務活動によるキャッシュフローが大幅なプラスになっており、借入金を大幅に増やしたことがわかる。事実、160,000千円の大規模な長期借入れを行ったことが発表されている。

ストックオプション
スタートアップの上場と言えば、従業員に対するストックオプションも忘れてはならない。上場する際にあらかじめ株式を持っていた役員や従業員は、IPO時の株価上昇によって経済的に大きな恩恵を受ける可能性がある。今回のand factoryのストックオプションの実態についても見てみよう。

同社のひとつの特徴として、上場する以前からほとんど他社から資金調達を行っていない点が挙げられる。既存の株主は14人いるが、外部の株主は2015年に第三者割当を実施したイグニスとその他に個人投資家が2名いるのみであり、その他はすべて同社の従業員である。

図からも明らかなように、代表取締役を務める小原氏が多くの株式を保有している。保有割合は50%を超えており、今回の上場により巨額の資産を築くことになりそうだ。また個人投資家を含めた大株主上位10名が、1億円以上の資産を手に入れることになる計算だ。

加えて今回の上場に伴い、新たに17名の従業員に600株の新株予約権を付与しており、全従業員の40%にストックオプションを付与したことになる。これらの17名の従業員は約120万円のストックオプションを手に入れることになる。

今回のストックオプションの価格については、想定発行価格2470円で試算を行った。IPO後の価格の上昇の仕方によっては、さらなる金額になる可能性もある。まさにスタートアップならではの恩恵と言えるだろう。

今回の記事では創業から4年で上場を果たすand factoryを紹介した。大幅な成長を続け短期間で上場まで駆け抜けたスピード感は、まさにスタートアップならではと言える。事業の多角化やIoTなどの領域でさらなる成長が期待できるだけに、今後の同社の成長にも注目しておくべきだろう。

 

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