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東京大学と産学共同研究「スタートアップ・エコシステムの構造分析」について人工知能学会全国大会(第34回)にて結果発表

国立大学法人東京大学(東京都文京区、総長:五神真)空間情報科学研究センター(柴崎研究室)に対し、STARTUP DB(スタートアップデーターベース)を用い、「スタートアップ・エコシステムの構造分析」に関する共同研究に20199月より取り組んでまいりました。本研究結果を、2020年69日から12日まで行われていた「2020年度人工知能学会全国大会(第34回)」にて、発表いたしましたので報告いたします。研究結果からは、前の世代の成功者が次世代のスタートアップに対して投資を行い、成長支援を行っていることが明らかになりました。

■共同研究論文の概要

本研究の目的は、スタートアップのエコシステム(ヒト・カネ・バショで構成される成長の生態系)の中で、「資金調達」がスタートアップの成長にどう影響しているかを明らかにすることです。資金調達構造をネットワーク分析によって可視化、エコシステム強化のために必要な施策等への貢献を目指します。

研究の方法は、スタートアップと投資家をノード(ネットワーク上の頂点)とし、その出資関係をエッジ(頂点と頂点を結ぶ紐帯・線)とするネットワークデータを構築。成長しているスタートアップは、どのようなネットワーク構造を持っているかのグラフ分析を行いました。

分析の結果、エンジェル投資家がスタートアップへの投資を介してコミュニティを形成し、スタートアップに資金供給以外にもコミュニティとして様々な支援を行うなど、強いサポート力を有することが評価できました。また、2000年代~2010年代に上場を果たしたスタートアップ、経営者、関連VCが、スタートアップ・エコシステムで中心的な役目を果たしていることがわかりました。すなわち、前の世代の成功者が次世代のスタートアップに対して投資を行い、成長支援を行っていることが明らかになりました。従来、課題とされていた連続起業家によるエコシステムが形成されていることがデータによって確認されたことになります。これは、2000年代前半のネットバブル時代にはなかったもので、日本において新しい成長の仕組みが形成されていることになります。

 

図:スタートアップと投資家によって構成されるエコシステム・ネットワーク

■共同研究論文タイトル

2モードグラフによるスタートアップ・エコシステムの資金調達構造分析
Analysis of funding structure of startups ecosystem using two-mode graph

URL: https://www.ai-gakkai.or.jp/jsai2020/proceedings

【大会論文集→カテゴリー別→J-13 AI応用→[2H4-GS-13-01] 2モードグラフによるスタートアップ・エコシステムの資金調達構造分析 (穴井 宏和、柴崎 亮介)

2020年度人工知能学会全国大会(第34回)

6月9日(火)~12日(金)までの3日間Web上で開催。その中で、本論文の発表は行われました。

 

■東京大学 空間情報科学研究センター 柴崎研究室 について

実世界のデジタルコピーを作成、それを使って実世界に起こる様々な問題の解決を支援するための研究や技術開発を行っています。具体的には、位置情報ビッグデータ解析、携帯電話データを利用した海外の都市・地域の比較分析、人々の流動解析やデータ同化、海外大都市における交通や物流解析、企業の取引構造データを利用したモノの流れ・カネの流れの推定などを行っています。

https://shiba.iis.u-tokyo.ac.jp/overview/

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