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「リモートワーク」の課題を捉えるRevCommは日本の未来をどう見つめるか?

「リモートワーク」の課題感を捉えるRevCommは日本の未来をどう見つめるか?

個人経営の小さな商店から誰もが名を知る大企業まで、今、目が回るような早さで働き方の変化が求められている。出社禁止となったり、在宅勤務がデフォルトになったりと、従来のオフィスに集まり働くビジネスワーカーの姿はぐっと減少している。

そのような変化を追い風に注目を集めているスタートアップが株式会社RevCommレブコム、以下、RevComm)だ。

RevCommは音声解析AIを搭載したクラウドIP電話「MiiTel(ミーテル)」を提供するスタートアップだ。営業トークの電話音声を録音し自動解析することで、インサイドセールスにおけるアポイントの成立率や成約率の向上、コールセンターにおける顧客満足度やNPS ネットプロモーター スコアの向上などを実現している。

MiiTelを用いることでこれまではオフィスに集まって働くことが当たり前とされていた営業・コールセンター人材はリモートでの勤務が可能になる。今、日本が直面している労働における課題を解消する点でも注目を集めている。

今回はRevComm代表の會田武史氏とCFOを務める鈴木悠介氏に、リモートワークを推進するための事業運営やRevCommの見据える日本の未来について尋ねた。

(なお、本取材は一定の距離感を保ちながら行い、編集部の同行は最少人数にとどめている)

■會田武史(あいだ・たけし) 三菱商事株式会社に入社し、自動車のトレーディング、海外市場での販売/マーケティング施策の企画・立案・実行、クロスボーダーの投資案件・新会社設立、政府向け大口入札案件、M&A案件等に従事。2017年7月に株式会社RevCommを設立。
會田武史(あいだ・たけし)
三菱商事株式会社に入社し、自動車のトレーディング、海外市場での販売/マーケティング施策の企画・立案・実行、クロスボーダーの投資案件・新会社設立、政府向け大口入札案件、M&A案件等に従事。20177月に株式会社RevCommを設立。
■鈴木悠介(すずき・ゆうすけ) 経営企画および財務を担当し、2020年2月より現職。参画前は主にデロイトトーマツ ファイナンシャル アドバイザリー合同会社等にて、10年弱に渡りクロスボーダーディールを中心としたM&Aアドバイザリー業務に従事したほか、ベンチャー企業における財務・経営企画業務全般も経験。
鈴木悠介(すずき・ゆうすけ)
経営企画および財務を担当し、20202月より現職。参画前は主にデロイトトーマツ ファイナンシャル アドバイザリー合同会社等にて、10年弱に渡りクロスボーダーディールを中心としたM&Aアドバイザリー業務に従事したほか、ベンチャー企業における財務・経営企画業務全般も経験。

マクロトレンド×興味関心で決定した事業ドメイン

マクロトレンド×興味関心で決定した事業ドメイン

MiiTelの特徴はインサイドセールスやコールセンターにおける音声コミュニケーションに特化した課題解決ツールである点だ。5G時代の到来にむけて、映像を絡めたプロダクトが数多く登場している今、なぜ音声に着眼したのか。

會田 「世の中のマクロな流れと僕自身の興味関心を突き詰めた結果です。もともと起業する際に今後のトレンドについて考え、領域を絞り込んでいきました。結論としては、量子コンピューター・ブロックチェーン・ディープラーニングの3つが残ったんです。

その中で実現可能性が高く、かつ僕自身がワクワクしたのがディープラーニングでした。加えて、人との対面コミュニケーションが好きだったこともあり、ボイスコミュニケーション領域で事業展開しようと思いました。

海外に目を向けると、サウジアラビアやウクライナなどでは、日常的にWhatsAppで声を直接送りあってコミュニケーションを取る人がほとんどでした。また全世界的にもボイステックへの出資額が大きく伸びています。更に2017年頃からスマートスピーカーが広く浸透するようになっています。これらの事象は『点』ではなく、GUIGraphical User Interface)からVUIVoice User Interface)にシフトしているマクロのうねりの結果なのです。

ディープラーニングを用いた画像解析や映像解析も成長が期待される領域です。しかし、エンジニアの目線に立つと、ディープラーニングと言っても対象領域によって技術が多岐にわたってそれぞれのスペシャリティが異なります。エンジニアリソースの選択と集中を考え、まずはボイステックでペインを解決しようと考えました。

ボイステックと一口にいっても、世の中の音声コミュニケーションは数多く存在する。具体的な事業ドメインを定めるまでには、緻密に四象限分析やヒアリングなどを繰り返しました」

會田 「最初はミーティングの議事録が自動化できたらと考えていました。ところが、ミーティングは参加人数が複数居るので話者特定が難しいんです。 またノイズキャンセルの精度はマイク、つまりハードウェアの性能に依存するので技術的にブレークスルーできるまでに時間がかかるなと思いました。また市場性に鑑みても、第1弾プロダクトとしては現実的ではないとの結論に至りました。 他にも、百貨店の美容部員とお客様との会話をシステムに自動インプットして解析できるツールなども考えましたね。実際にヒアリングを行いながら、誰の・どんな課題を・どのように解決できるのかの視点で事業を検討しました。 結果として、①課題の大きさ、②課題解決可能性、③市場規模の大きさ・拡大可能性、④社会的意義、の4点を高いレベルで満たすことが出来たので電話営業・コールセンター領域に行きつきました。①②は、仮説を立てながら現場にヒアリングして探していくのでミクロ視点の話ですが、③④はマクロ視点の話です。どんなに課題が大きくて、かつそれを解決できるアイディア・技術があり優秀なメンバーが集まっていたとしても、市場規模が小さかったり、社会的意義が薄いとユニコーンになり得るスタートアップは作れません」

會田 「最初はミーティングの議事録が自動化できたらと考えていました。ところが、ミーティングは参加人数が複数居るので話者特定が難しいんです。

またノイズキャンセルの精度はマイク、つまりハードウェアの性能に依存するので技術的にブレークスルーできるまでに時間がかかるなと思いました。また市場性に鑑みても、第1弾プロダクトとしては現実的ではないとの結論に至りました。

他にも、百貨店の美容部員とお客様との会話をシステムに自動インプットして解析できるツールなども考えましたね。実際にヒアリングを行いながら、誰の・どんな課題を・どのように解決できるのかの視点で事業を検討しました。

結果として、課題の大きさ、課題解決可能性、市場規模の大きさ・拡大可能性、社会的意義、の4点を高いレベルで満たすことが出来たので電話営業・コールセンター領域に行きつきました。①②は、仮説を立てながら現場にヒアリングして探していくのでミクロ視点の話ですが、③④はマクロ視点の話です。どんなに課題が大きくて、かつそれを解決できるアイデア・技術があり優秀なメンバーが集まっていたとしても、市場規模が小さかったり、社会的意義が薄かったりとユニコーンになり得るスタートアップは作れません」

「スタートアップの資金調達=エクイティ」は本当に正義なのか?

「スタートアップの資金調達=エクイティ」は本当に正義なのか?

RevCommは経営理念として「新たなコミュニケーションの在り方を創造し、世界に変革をもたらす」を掲げている。実際、MiiTelを活用する企業は単にインサイドセールスの効率が改善できただけではなく、リモートでの勤務が可能になり働き方にも変化があったそうだ。

「リモート」というキーワードがRevCommの事業成長に与えた影響は大きかったのではないだろうか。

會田 「リモートワークの推進は、全世界的に広がっているSDGsの文脈に非常にマッチしています。有事の際に事業継続できる体制づくりが重要になる訳ですが、まさに物理的な空間や移動に依存しないリモートワークはBCP(Business Continuity Planning / 事業継続計画であり、かつ環境保全にも繋がると思います。従って、SDGsが注目されている今、Afterコロナでもリモートワークは推進されると思いますし、不可逆の流れだと思います。我々はリモートワークの実現並びに最適化に大きく貢献できますので、今後更なる拡大を見込んでいます」

鈴木「実際、弊社でも新型コロナ感染拡大防止のため、フルリモートワーク制度の任意出社から、3月より原則出社を禁止にしてMiiTelを活用した在宅ワークに取り組んでいますが、業務に大きな問題は生じていません。昨今の新型コロナの影響が生じる前からリモートワークでもマネジメントが容易な体制を整えてきたことに加え、新型コロナの影響が少ない業種であったこともあり、着実に成長を継続できている状況です」

事業成長には厳しい環境とも思えるこの時期ですら、RevComm511日に資金調達を発表し大きな成長を遂げている。一体なぜだろうか。 

會田 「調達のラウンドによって、投資家が重要視する項目は異なります。例えばシードラウンドの資金調達においては、市場規模と成長性・攻め方・チームの3点を重点的に見られますが、そのいずれに対しても期待値が高いと捉えてもらえた場合に、調達可能性がより高まることとなります。

今回はシリーズAラウンドでしたが、売上規模はかなり大きくなっていたことから、KPIなどの進捗も重点的に確認されることになりました。

因みに、『スタートアップの資金調達=エクイティ』と考える人は多いですが、決してそれだけではありません。

メザニンデットもあれば、シニアデット(通常借入)もあり、デットファイナンスの調達コストはエクイティによる調達コストと比べてとても低い状態です。

適切なリスクのバランスを考慮する必要はありますが、スタートアップとしてもWACC(Weighted Average Cost of Capital / 加重平均資本コスト)に鑑みてデットファイナンスを有効に活用すべきだと思います。我々も今回のラウンドの前のプレシリーズAではメザニンファイナンスで調達しました」

鈴木 「『エクイティによって得た資金=返さなくて良いお金』だと捉えてしまうことがあるかもしれませんが、本来エクイティは資金そのものこそ返還しませんが、株式をそれ以上の価値を持って売却できることが前提の調達です。その際に投資家に対して返すべきリターンも加味するとエクイティによる資金調達のコストは相応のものとなります。そういったことも視野に入れながらエクイティによる調達の要否を検討するべきではないかと考えます。 デットは返還義務のある調達方法ですが、その分調達コストも小さい。選択肢として持てると、資金調達プランをより柔軟に設計できると思いますね。 昨今の市場環境を考慮すると、資金繰りに悩むスタートアップはこれから増えるはずです。RevCommは幸い事業内容が今の世の中のペインを解決できるものだったので攻めの資金調達に踏み切りましたが、今後は事業継続により重点をおいた保守的な資金調達もより増えてくるのではと思います」

鈴木 「『エクイティによって得た資金=返さなくて良いお金』だと捉えてしまうことがあるかもしれませんが、本来エクイティは資金そのものこそ返還しませんが、株式をそれ以上の価値を持って売却できることが前提の調達です。その際に投資家に対して返すべきリターンも加味するとエクイティによる資金調達のコストは相応のものとなります。そういったことも視野に入れながらエクイティによる調達の要否を検討するべきではないかと考えます。

デットは返還義務のある調達方法ですが、その分調達コストも小さい。選択肢として持てると、資金調達プランをより柔軟に設計できると思いますね。

昨今の市場環境を考慮すると、資金繰りに悩むスタートアップはこれから増えるはずです。RevCommは幸い事業内容が今の世の中のペインを解決できるものだったので攻めの資金調達に踏み切りましたが、今後は事業継続により重点をおいた保守的な資金調達もより増えてくるのではと思います」

RevCommが目指す、個人活躍による豊かな社会の実現に向けて

RevCommが目指す、個人活躍による豊かな社会の実現に向けて

インサイドセールスを起点にボイステック領域でRevCommは革命を起こす。今後はセールス領域のみではなく事業を横展開することで意気揚々と働く人材を増やしたいと考えているという。

會田 「今後、SaaSを始めとしたクラウドツールの浸透スピードはますます早まるでしょう。一人ひとりの業務効率が向上し、家族や大切な人と過ごす時間だって増える。その先にはより豊かな社会があると思っています。AIはよく人間の仕事を奪うなんて書き方をされますが、僕はそうは思いません。人間がするべき仕事を人間がすればいいだけの話ですから。

テックの進化が期待されることの本質は人々の心の余裕を生み出す点にあると思います。効率化が実現できれば、空いた時間をどう過ごすのかを個人が選べる。経済的、社会的、文化的にも豊かな社会が作れるようになるはずです。

僕たちはAIプロダクトを作っているわけですが、あくまで個々人の力を最大限まで引き出すためのAI。主眼は常にに置いているのです。

MiiTelはインサイドセールスやコールセンターの支援ツールであると同時に、セルフコーチングツールとしてみなさんにお届けしています。なぜなら、MiiTelは管理職のためのものだけではなく、むしろメンバー一人ひとりが自らを振り返るためのツールだからです。

働き方や組織のあり方が変化する今の時代、マネジメントではなく個人のエンゲージメントが重視されるような企業は増えるでしょう。RevCommMiiTelにより個人にフォーカスを当てることで、一人ひとりがキーマンとして働ける、豊かな社会を作っていきたいですね」

執筆:鈴木詩乃
取材・編集:BrightLogg,inc.
撮影:小池大介

※RevCommでは現在採用強化をしています。

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