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日本をチャンスを与えられる国に。内閣府特命担当大臣の意思

課題先進国日本をもっとチャンスを与えられる国に。内閣府特命担当大臣が掲げるビジョン

スタートアップ向けのピッチイベントが増えているが、その中に内閣府が行なっているピッチがあることをご存知だろうか。それがITを含めた内閣府特命担当大臣である平井卓也氏が開催している「HIRAI Pitch(ヒライピッチ)」である。

業界や企業規模に関わらず、次の時代を作っていくことを期待される経営者に声がかかり、白熱したプレゼンテーションと大臣自ら率直にやり取りする意見交換を繰り広げている。

サラリーマン、そして民間企業での経営経験もある平井氏だからこそできる取り組みだと言えるだろう。民と官の架け橋となる新しい政策手法になっていくことは間違いない。

今回は平井氏になぜそのような取り組みを行なっているのか、取り組みの先にあるビジョンについて話を聞いてみた。

「次の時代の選択肢を増やしたい」HIRAI Pitchの目的とは

■平井卓也(ひらい・たくや) ー衆議院議員 内閣府特命担当大臣(クールジャパン戦略、知的財産戦略、科学技術政策、宇宙政策)
■平井卓也(ひらい・たくや)
ー衆議院議員
内閣府特命担当大臣(クールジャパン戦略、知的財産戦略、科学技術政策、宇宙政策)

iPhoneが日本に入ってきて10年。我々の生活は良くも悪くもITの影響を受け、ビジネスのシーンでもインターネットを前提に事業モデルを組むのが当たり前になっている。

今後はさらに社会変化の加速が予測され、よりグローバル化が進んだ誰も経験したことのない時代がやってくる。国としても新たな社会として「Society 5.0」を掲げているが、それだけでは表現できないことばかりだと平井氏は言う。

平井 「次の世代の人の選択肢を増やす、グローバルに適応できる人を増やすために政治は何をすべきか、という想いでベンチャー経営者にヒアリングをしていたことが始まりでした。大臣となった今、HIRAI Pitchとして行なっていますが、想いは変わらずその延長にあります。
 
次の時代のプレイヤーになる人たち、イノベーションを起こせる人たちを支援していきたいと思っています。規制緩和を含め、ビジネスの阻害要因を減らしていくなど、行政だからできるサポートがあるので」

実際に最近は世の中が変わっていることに気づく人が増えたと語る平井氏。起業家にしてもサラリーマンにしても、新しいテクノロジーをフルに使った事業モデルが増えたため、企業の育つスピードは以前と比べ物にならないほど速い。だからこそ、そんな人達のネットワークを作っていくこともHIRAI Pitchの役割だという。

平井 「ベンチャー界隈を見ていると、思わぬ出会いが事業モデルを変化させることはよくあるんですよね。最初の強い想いというのは大事なんですが、その想いが故に視野が狭くなり、自分の業界にしか目がいかないベンチャー企業も多いんです。そんなベンチャーにセレンディピティーを起こすこともHIRAI Pitchの役割だと思っています。
 
実際にHIRAI Pitchではものすごく横のつながりができますし、私自身、組み合わせが面白いと思った企業同士は積極的に紹介するようにしています。HIRAI Pitchを受けての政策立案の中でも、異業種・異分野をつなげていく、ネットワークやコミュニティの形成は大きなテーマです」

失敗を恐れない社会を作るために

挑戦するためのチャンスを作っていきたいという平井氏に対して、チャンスを作るために必要なことは何なのか聞いてみた。返ってきたのは「本気で応援する」というシンプルな答えだった。

挑戦するためのチャンスを作っていきたいという平井氏に対して、チャンスを作るために必要なことは何なのか聞いてみた。返ってきたのは「本気で応援する」というシンプルな答えだった。

平井 「人のつながりを作ることなどももちろん大事なのですが、一番はその企業の将来を本気で考えることだと思います。本気で応援するからこそ人の気持ちに火を付けられるんです。もちろん本気でやったってすべてがうまくいくわけではありません。
 
全員が成功できるわけではありませんからね。しかし、失敗を糧にできる社会、失敗を勉強と思える社会を作っていくことが重要だと考えています」

平井氏はその言葉通り、さまざまな場所に足を運んで企業を応援している。自分が本気になるからこそ、周りも本気になって企業を応援するのだと語る。

地方に足を運べば「大臣が来た」ということで自治体はじめ地域のキープレーヤーが盛り上がるし、スタートアップをみんなで応援するという雰囲気ができると言うのだ。

平井 「今は東京じゃなくても起業をして成功できる時代。福岡のように世界で活躍する企業を生み出すために活動している地域もあります。日本各地に面白いビジネスマンや技術者がいるため、そんな人達が出会えるようなアナログな場も必要だと思ってます。
 
人だけでなく地域相互の繋がりもできればなお素晴らしい。結局、起業や経営は人がやるものなので、デジタルでの出会いには限界があるんです。だからこそ、私たちが先入観を持たずにデジタルとアナログ両面で出会いを提供していくことが大事だと思っています」

課題先進国日本が世界で注目されている

最近では海外の人のピッチを受けることも多いという平井氏。超高速で高齢化が進み未曾有の少子高齢化を迎える日本は、世界の課題先進国でもある。

最近では海外の人のピッチを受けることも多いという平井氏。超高速で高齢化が進み未曾有の少子高齢化を迎える日本は、世界の課題先進国でもある。

それらの課題を解決するためのイノベーションが生まれ、日本の課題を解決することができれば、これから同じ課題が発生する世界各国で通用するという。

平井 「先進国で先頭をきって少子高齢化を迎える日本は世界から見たら、次の時代の実証実験の場として最適な場とも考えられます。そのため、日本で起業する外国人起業家や日本に進出する外資系スタートアップも増えています。
 
日本は安全でご飯も美味しいですし、海外のビジネスマンが家族を連れて働きに来るにはとてもいい環境です。言葉の課題はありますが、世界と比べてみても日本で起業するのは賢い選択だと思っています。
 
日本のベンチャーはどうしても日本人だけでチームを組んでしまいがちですが、これからはそんな海外の優秀な人材を採用していったほうがいいですね。そうすればシリコンバレーや中国の深センに負けないベンチャーシーンの盛り上がりが生まれると思います」

国が抱える問題に立ち向かうベンチャーに対して、政策としてサポートしていく必要性を感じている平井氏。これからデジタル化が実装されていく社会の中で、いかにして全ての国民にデジタル化の恩恵を届けられるかが課題だともいう。

平井 「今の業法でベンチャー企業の手足を縛っていてはなかなかイノベーションが生まれていかないですよね。そういったビジネスがイノベーションを生み出せるように、規制緩和やセキュリティの面での課題を取り払っていきたいと思います」

ベンチャーブームをブームで終わらせないために

世界で戦い新しい価値を世界に提供するスタートアップを増やすプログラム「J-Startup」を経済産業省が推進している。平井氏は世界で勝てる企業を増やすには裾野を広げることが大事で、挑戦する人を増やしていきたいと言う。

世界で戦い新しい価値を世界に提供するスタートアップを増やすプログラム「J-Startup」を経済産業省が推進している。平井氏は世界で勝てる企業を増やすには裾野を広げることが大事で、挑戦する人を増やしていきたいと言う。

今の時代は社会全体で起業を応援する雰囲気が高まり始めているがブームで終わらせないことが重要と言うのだ。

平井 「最近では高校生でも起業するという話は増えています。昔であれば考えられなかったかもしれませんが、若い人の中にも挑戦する人はたくさんいるんです。私たちがすべきことはそういった若い芽を摘まないことだと思います。若い人でなくても日本には優秀な研究者や技術者はたくさんいます。
 
そういった方々にチャンスを与えられる国にしていきたいですね。今はベンチャーブームが来ていますが、一過性のものにしないで、これからも挑戦する人を増やしていきたいと思います」

最後にこれから起業やベンチャー企業に飛び込むチャレンジをする人たちにメッセージをもらった。

平井 「社会に必要だと思われる企業を作る。前のベンチャーブームの時はITができればビジネスになりましたし、儲かりそうだと思って起業する方もたくさんいました。でも結果を見ると、儲かりそうだけではやはり長くは続かなかったと思います。
 
これからチャレンジをするという方はぜひ、社会に必要とされる企業を目指してチャレンジして欲しいです。その強い想いが失敗を恐れない原動力にもなっていくと思います」

執筆:鈴木光平
取材・編集:BrightLogg,inc.
撮影:小池大介

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