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急成長を遂げたスタートアップCTOが語る、エンジニアのキャリアとは

急成長を遂げたスタートアップCTOが語る、エンジニアのキャリアとは
「スタートアップ」という言葉は、一昔前に比べると随分と浸透した世の中になった。スタートアップに就職・転職する人も増えたり、政府からも「J-Startup」の施策が発表されるなど、注目を集めているトピックなのだといえるだろう。

そこで今回は、スタートアップに飛び込むエンジニアのキャリアを考えるイベント「急成長を遂げたスタートアップを経てキャリアアップした現CTOが語る」を株式会社エブリーのオフィス内で開催。

エンジニアとしてのキャリアを歩み、現在はCTOとして活躍する4名を招いて、エンジニアのキャリアについて考えていった。赤裸々な話の飛び交った本イベント。さっそく、様子をレポートしていく。

CTOになるまでのキャリア

今回の登壇者は、ウェルスナビ株式会社 CTO&CPOの井上氏、株式会社エブリー CTOの梶原氏、株式会社LITALICO CTOの岸田氏、株式会社カケハシ CTOの海老原氏の計4名。
まずは4名が、それぞれこれまでの経歴と現在の事業などについて語る。
井上正樹(ウェルスナビ株式会社 取締役CTO&CPO ) グリーにおいて開発本部副本部長・開発企画室長としてインフラ整備やエンジニア育成を担当した後、ゲーム事業本部長を経て、2016年3月より、ウェルスナビのCTO兼CPOを務める。プロダクトの企画から設計・開発・運用を一貫してリードしつつ、事業成長に向けたマーケティングを推進。社員の半数をエンジニア・デザイナーが占める金融機関として、組織作りにもリーダーシップを発揮。

井上正樹(ウェルスナビ株式会社 取締役CTO&CPO )
グリーにおいて開発本部副本部長・開発企画室長としてインフラ整備やエンジニア育成を担当した後、ゲーム事業本部長を経て、2016年3月より、ウェルスナビのCTO兼CPOを務める。プロダクトの企画から設計・開発・運用を一貫してリードしつつ、事業成長に向けたマーケティングを推進。社員の半数をエンジニア・デザイナーが占める金融機関として、組織作りにもリーダーシップを発揮。

井上もともと、僕のキャリアのスタートは20歳でした。高専を卒業して、SIerに就職し業務システムを開発していたんです。その後、上司に誘われてソフトハウスを立ち上げて独立しました。ただ、受託や客先常駐のプロジェクトに関わることが多かったので「もっとユーザが見えるサービスに関わりたい」と思っていたところ、グリーに出会いました。
 
CTOの藤本さんとの面接直後に代表の田中さんがすぐに登場するなどといったスピード感などに魅了されて30歳で転職を決めました。サーバーサイドエンジニアとしてジョインしましたが、途中からはインフラ担当として、負荷対策や障害対応などにも取り組んでいました」

数多くのヒットタイトルを生み出したグリーの成功を、共に追いかけてきた井上氏。ところが、転職に当たっては、ゲームに関わり続けたからこそ感じる「ある想い」があったという。

井上「ゲーム事業に携わるのもやりがいはありましたが、それ以上に「日本の社会的な課題を解決したい」と思うようになったんです。そのタイミングで出会ったのが、ウェルスナビでした。転職時は42歳だったので、おそらくキャリアとしては最後の会社になるだろうと考え、迷うことなくすぐに飛び込みましたね
 
ジョインしたばかりの頃は、プログラムの開発にも携わりましたが、現在は主に事業部門の責任者、人事、バックオフィス、エンジニアの取りまとめやキャリア制度の見直しなどをメインで行なっています。振り返ると、SIerからはじまって、エンタメ、金融業界など、だいたい10年くらいのスパンで新たな環境に飛び込む「挑戦」を選んでいます」

梶原大輔(株式会社エブリー 取締役 CTO 兼 CHECKカンパニー長) 2006年4月、ヤフー株式会社に入社。2007年2月、グリー株式会社に入社後、エンジニアとしてゲーム・インフラ・技術基盤の開発に従事。2014年より同社執行役員に就任し、インフラストラクチャ本部長、開発本部長を歴任。2016年より複数の子会社の代表取締役・取締役として新規事業の立ち上げを行う。2017年同社退社後、10社以上の企業の社外取締役・技術顧問・出資支援を行いスタートアップ企業の成長支援に携わる。2018年5月、株式会社エブリーに入社。
梶原大輔(株式会社エブリー 取締役 CTO 兼 CHECKカンパニー長)
2006年4月、ヤフー株式会社に入社。2007年2月、グリー株式会社に入社後、エンジニアとしてゲーム・インフラ・技術基盤の開発に従事。2014年より同社執行役員に就任し、インフラストラクチャ本部長、開発本部長を歴任。2016年より複数の子会社の代表取締役・取締役として新規事業の立ち上げを行う。2017年同社退社後、10社以上の企業の社外取締役・技術顧問・出資支援を行いスタートアップ企業の成長支援に携わる。2018年5月、株式会社エブリーに入社。

梶原「僕は大学卒業後、新卒でヤフーに入社しました。そこは従業員が3,000人くらいの大きな企業だったのですが、自由という観点で窮屈に感じてしまうことが多くて。自分がやりたいように仕事ができる環境を求めて、10ヶ月で退職してグリーに移ったんです。そこではエンジニアとして、10年間サーバーサイドの開発・インフラの基盤などを担当しました。
 
グリーではさまざまな事業を担当させてもらえて、本当に多くの経験を積むことができました。ですが10年経ってふと自分のキャリアを振り返ったときに、開発の領域だけではなくまた新たな分野においてもチャレンジがしたいなと思うようになって。決心し、昨年の4月にグリーを退職しました。その後しばらくはスタートアップの顧問やエンジェル投資家として投資活動を行なっていたのですが、より働きがいのある環境を求めて、エブリーに移りました。
 
現在はプレイヤーとして開発に携わるのではなく、エンジニアが働きやすい環境の構築や新規事業の立ち上げなどを担当しています」

岸田崇志(株式会社LITALICO 執行役員CTO) 2006年3月博士(情報工学)取得。大手ネットワークインテグレータを経て、2009年5月グリー株式会社に入社。エンジニア兼事業責任者を経てジャパンスタジオ統括部長、開発本部副本部長を歴任。2013年10月同社執行役員に就任。その後、新規タイトル開発やクリエイター育成に従事。2015年11月株式会社LITALICOに入社、執行役員CTOに就任。
岸田崇志(株式会社LITALICO 執行役員CTO)
2006年3月博士(情報工学)取得。大手ネットワークインテグレータを経て、2009年5月グリー株式会社に入社。エンジニア兼事業責任者を経てジャパンスタジオ統括部長、開発本部副本部長を歴任。2013年10月同社執行役員に就任。その後、新規タイトル開発やクリエイター育成に従事。2015年11月株式会社LITALICOに入社、執行役員CTOに就任。

岸田「僕は今年で40歳になるのですが、高校生のときにちょうどWindows95が発売された世代なんですね。インターネットの影響力に魅了されて、Web業界で働きたいと考えるようになりました。
 
30歳くらいまではさまざまな企業を経験したのですが、ちょうど同じ頃子どもが生まれたんです。それが、人生の転機で。将来、自分の子どもには起業してほしいって僕は思っていたのですが、当の本人はなにもチャレンジしていないなと。
 
そこで、当時100人規模だったグリーに転職して2,000人規模まで成長する6年半の間をグリーで過ごしました。プロダクト開発だけでなく、組織づくりにも関われたのですが、ほかの事業でももっとエンジニアドリブンな世の中をつくれるような世界だったらと感じることが増えていったんです。そこで、LITALICOの事業に携わることで、エンジニアの新しいロールモデルがつくれたらと思ってジョインしました。
 
入社して3年が経過しましたが、組織や事業のフェーズによって新たな発見があるので、常に新鮮な気持ちです。現在は、エンジニアがファーストキャリアを積みやすい組織にするべく、組織開発をメインに担当しています」

海老原智(株式会社カケハシ 取締役CTO) 慶應義塾大学大学院政策メディア・研究科修了後、凸版印刷株式会社でバーチャルリアリティ用3DCGビューア/SDKの開発、3DCGコンテンツ制作会社でテクニカルディレクション、グリー株式会社でSNS/プラットフォーム系開発に従事。その後株式会社サイカの取締役CTOを経て、創業直後の株式会社カケハシにCTOとして参画。
海老原智(株式会社カケハシ 取締役CTO)
慶應義塾大学大学院政策メディア・研究科修了後、凸版印刷株式会社でバーチャルリアリティ用3DCGビューア/SDKの開発、3DCGコンテンツ制作会社でテクニカルディレクション、グリー株式会社でSNS/プラットフォーム系開発に従事。その後株式会社サイカの取締役CTOを経て、創業直後の株式会社カケハシにCTOとして参画。

海老原「僕は、大学院まで進んでVRの研究を行なっていました。そのつながりで、3DCG関連のコンテンツやミドルウェアの開発エンジニアとしてキャリアをスタートしました。その後、自分の成果と報酬が連動するような環境で働きたいと考えて、知人の小さな会社に参画したんです。
 
ただ、だんだんとCG以外の技術領域も知りたくなったり、将来的に自身でもエンジニアリング組織をつくりたいと考えて、Tech系スタートアップのグリーに転職しました。
 
グリーで2年半勤めた後、創業期のスタートアップでCTOとしてエンジニアリング組織の立ち上げを経験して、その後カケハシに創業後2ヶ月のタイミングで入社しました。
 
初期はアプリケーションエンジニアやインフラの役割も持っていましたが、2年目からは主に組織づくり、チームの運用、メンバーの採用などにコミットしています」

CTOになるために必要なのは、技術力? コネ? 運?

CTOになるために必要なのは、技術力? コネ? 運? CTOキャリア対談、ウェルスナビ 、LITALLICO、エブリー、カケハシ
続いて、イベント内ではリアルタイムで質問を集められるツール「sli.do」を用いたディスカッションを開催。参加者が登壇者に向けて投稿した質問に、ひとつずつ答えていく。今回は、質問の内容を一部抜粋してお届けしていこう。

Q.「CTOに技術力は必要だと感じますか? CTOに求めるものって何でしょうか」

梶原「会社によってCTOの役割は異なるので一概には言えないですね。さまざまなスタートアップを見ていると、開発現場に入って自分もコードを書くCTOもいるし、ビジネスとのバランスを取りながら優秀なメンバーに開発を託すCTOもいます。ただ、いずれにせよ、CTOはビジネスの側面でジャッジできる能力が必要です。技術はもちろん必要ですが、技術だけあればいいというわけではないと感じます」

岸田「スタートアップの場合、フェーズによって必要な能力が違うような気がします。CTOは、多くの場合、事業(プロダクト)として成功させる観点が必要だと思います。自身の評価 = プロダクトの評価が伴ってのことなので、プロダクトを成長させるために必要な能力は持ち合わせていないといけないですよね。
 
プロダクトとして成功させるためには、まず開発力が重要です。開発力というと、技術の話に偏りがちですが、僕は、技術力・企画力・組織力・開発プロセスの4要素の総合値が重要だと思っています。そのために、プロダクトをいかに早く品質よくつくれるかの視点を大切にしています。あとは、今の課題を見つけて、定義できる言語化能力も必要ですね」

CTOに技術力は必要?CTOに求められるものとは CTOキャリア対談、ウェルスナビ 、LITALLICO、エブリー、カケハシ

海老原「技術力は、ベースとして必要じゃないですかね。とくに、社内のエンジニアの全方位的な相談に乗れることが大切なのかなと。実務的なところで現場エンジニアに敵わないと感じることはあると思いますが、アーキテクチャ、サーバー、インフラ、情報セキュリティなどの知識は全般持っておきたいところです」

Q.「CTOはエンジニアにとって、ひとつの頂点だと思います。みなさんはなぜCTOにまでなれたと思いますか?」

海老原「CTOって頂点なんですかね? 僕は、あまりそういう考えを持っていません。CTOという立場自体にこだわりはないですが、自身の仕事として組織づくりをすることを目的に動いていたので、経営やそれに近いところと思って行動していました。グリーでの経験もそうですが、最初から目的を持って行動したことが今につながったのかと思います」

岸田「CTOってあくまでもひとつの役割でしかないと思うんです。会社のフェーズとCTOの役割を野球のピッチャーに例えると、創業したばかりの“先発”的な役割が得意なCTOもいますし、スケールのほうが得意な“中継ぎ”CTOもいます。企業が大きくなって安定的に進める“抑え”のようなCTOもいます。
 
CTOは、フェーズによって求められたソリューションを確実に提供する役割。だから、CTOをゴールにしてしまうのは少し危険です。また、働くうえでは求められる期待に応えないといけないプレッシャーがありますし、それに応えるという気持ちが重要かと思います」

なぜCTOになれた? CTOキャリア対談、ウェルスナビ 、LITALLICO、エブリー、カケハシ

梶原「僕も肩書きにこだわっていないんですよね。ある種『タイミング』という要素は大きいのかなと思っています。もしもエブリーで僕がいただいたオファーが、開発だけ行うCTOだったとしたら、引き受けていませんから。事業面のマネジメントも合わせて、とのことだったのでこのポジションに就くこととなりました。とはいえ僕自身、今が最後のキャリアだとも思っていないので、都度必要なポジションを求めてキャリアチェンジするようにはしています」

井上「僕は、飛び込むことに価値があるのではないかと考えています。グリーに転職するときはそこまで考えていませんでしたが、新しい環境に飛び込んだことには大きな価値がありました。とりあえず飛び込んでみて、その環境下で成果を出し続けることでキャリアが上がっていくのだと思いますよ」

Q.「スタートアップで大きくキャリアアップできるエンジニアはどのようなエンジニアだと思いますか?」

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井上「さまざまありますが、大事なのは人間性ではないかと思います。技術も大事ですが、スタートアップでは仲間と共に成果を出すので、一緒に仕事しやすい人がいいと思うんですよね。人柄も重要ですし、人に対するリスペクトを忘れないことが大切です」

岸田「信用残高的な話は大切な要素ですよね。修羅場を一緒にくぐっていたり、これから先も一緒に働きたいと感じてもらえるかどうかは意識するべきなのかなと。仲間からの信頼を崩さないことがなによりも重要です」

海老原「スタートアップって、転職してみると足りていない側面がたくさんわかるんです。それを、『こんなこともできていない』と捉えるのではなく、『これだけ整っているのはすごいから、足りないところを埋めよう』といったマインドで取り組める人はキャリアアップできると思います。スキルは重要ですが、マインド面も同じかそれ以上に重要。カケハシの面接でも、その点はとても重視して見ています」

梶原「僕も、スキルよりはマインドを重視しています。転職の理由が自己実現って場合もあるとは思いますが、『社会を良くしたい』といった自分自身以外の部分にもエネルギーが働く方は、比較的素直なマインドで働いていらっしゃる印象があります。スタートアップは大企業に比べて、組織体制が完全に整っているわけではないこともあるので、そういった体制に不満を持たずにいられるかどうか。カルチャーフィットに大切なのはそういった側面だと思いますよ」

おわりに

CTOキャリア対談、ウェルスナビ 、LITALLICO、エブリー、カケハシ
今回は、エンジニアのキャリア設計を考える「急成長を遂げたスタートアップを経てキャリアアップした現CTOが語る」をレポートした。
企業で働くエンジニアに向けて開催された本イベント。
エンジニアとしてのキャリアを積むうえで意識しておきたいポイントや、スタートアップで働く4名の本音が赤裸々に語られ、和気あいあいとした雰囲気のなか幕を閉じた。

もしもスタートアップへの転職を迷っている、キャリアアップをしていきたいと考えているエンジニアの方は、本記事を参考に自身のキャリアについても少し考える機会をつくってみると良いかもしれない。

執筆:鈴木しの
編集:Brightlogg,inc.
撮影:戸谷信博

※現在ウェルスナビエブリーLITALICOカケハシでは採用強化をしております。

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